中国の検索大手・百度(Baidu)はこのほど、ハンドルを取り外すことが可能な新型の自動運転車「RT6」を発表した。無人タクシー車両として活用できる自動運転レベル4の車両で、1台当たりのコストは25万元(約3万7,000ドル)だという。日本円にすると500万円前後だ。
■無人タクシーサービスで来年車両導入
百度のRobin Li最高経営責任者(CEO)は「ロボットタクシーの運賃は、現在のタクシー運賃の半分程度になる未来に向かって進んでいる」と述べている。新型車は2023年から中国国内の無人タクシーサービスに利用される予定だという。
百度は2020年から無人タクシーサービス「Apollo Go」を展開しており、2022年4月には、北京で完全無人(セーフティドライバーなし)の自動運転タクシーを走行させる許可を取得したことが明らかになっている。新型車はこのApollo Goで活用されるとみられる。
ちなみに百度が今回発表したRT6の製造コストは、前世代の自動運転車の製造コストの半分程度だ。前世代の自動運転車の製造コストは48万元(約7万1,000ドル)とされている。この製造コストの安さを強みに、中国全土で早期に数万台を展開する計画だという。
報道によれば、RT6には8つのLiDARと12台のカメラが搭載されている。
■「20年以上の熟練運転手の技術に匹敵」
気になるのは、百度がこの車両をどこの自動車メーカーもしくは組み立て専門メーカーで製造したかだ。報道によれば、百度は製造元については明らかにしていない。
自動運転システム自体は、百度が企業横断型の自動運転組織「アポロ」などを通じて開発してきた経緯があり、百度の上級副社長は「百度の自動運転システムは、20年以上の熟練ドライバーの技術に匹敵する」と述べている。
引き続き、百度の動きに注目だ。
【参考】関連記事としては「百度の自動運転タクシー、もう7都市目!日本なら東名阪札仙広福」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)