トヨタ系KINTOテクノロジーズ、第1期から黒字4.6億円!

次世代サービスを支える技術を開発



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

モビリティサービスを支える技術の開発などを担うトヨタ子会社のKINTOテクノロジーズ株式会社(本社:愛知県名古屋/代表取締役社長:小寺信也)の第1期決算公告が、このほど官報に掲載された。

純利益は約4億7,000万円となり、第1期から黒字計上となった。第1期目から黒字計上となったのは、トヨタ本体からの受託事業で売上を確保できているからだろうか。


■決算概要(2022年3月31日現在)
貸借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 3,169,834
固定資産 494,619
資産合計 3,664,454
▼負債及び純資産の部
流動負債 3,184,703
役員賞与引当金 2,840
賞与引当金 297,404
役員退職慰労引当金 802
株主資本 479,750
資本金 10,000
利益剰余金 469,750
繰越利益剰余金 469,750
(うち当期純利益)(469,750)
負債・純資産合計 3,664,454

■KINTOテクノロジーズってどんな企業?

KINTOテクノロジーズは、トヨタグループが展開する金融やモビリティサービスなどをテクノロジーで支援する内製開発組織として、2021年4月に設立されたテックカンパニーだ。

近年自動車業界では、自動車を「モノ」として販売するだけでなく「モビリティサービス」として提供する流れに変化している。これを受けトヨタグループは、これまでの販売店経由で自動車を販売するスタイルだけでなく、直接ユーザーとつながり購入後のライフサポートにも力を入れる体制作りにシフトチェンジを図っている。

そんな中、これまでにないBtoC(Business to Customer)やDtoC(Direct to Consumer)といった顧客向けサービスを展開するにあたり、事業戦略や顧客ニーズに迅速に対応できる専門組織が求められ、KINTOテクノロジーが設立された。


同社は「モバイルアプリ開発グループ」「プロジェクト推進グループ」「プラットフォームグループ」「分析グループ」「共通サービスグループ」といった、それぞれの分野に特化したグループで構成されており、トヨタグループのあらゆるサービスの構築に取り組んでいる。

■具体的な事業内容は?

KINTOテクノロジーズには、モバイルエンジニアやフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニア、データサイエンティスト、デザイナー、プロダクトマネージャーなど多岐にわたる専門家が集結し、約200人が在籍している。

具体的な事業としては、自動車のサブスクリクションサービス「KINTO」やマルチモーダルモビリティサービス「my route」などの開発・運用及び、サービスのグローバル化推進だ。

KINTOとは?

KINTOは世界30カ国でサービス展開されており、一定期間、自動車を定額で利用できるサービスだ。料金には車両代のほか、メンテナンス代や保険代も含まれるため、気軽に自動車を利用することができる。今後、トヨタグループの中で特に重要になるであろうサービスの1つだ。


my routeとは?

my routeは、公共交通機関、自動車、徒歩などの移動手段を組み合わせてルートを検索し、予約や決済まで行うことができるMaaSアプリのことだ。2019年にリリースされた後、さらに最適化を図り2021年8月に新たにリリースされた。「クルマに乗る人」に焦点を当てたサービスの開発を進めている。

■トヨタの新たな挑戦を下支えする存在

トヨタグループの新たな挑戦を下支えする存在として、KINTOテクノロジーズに今後も注目していきたい。ちなみにサブスクサービスのKINTOを展開する株式会社KINTOの決算もすでに発表されている。以下の【参考】から参照してほしい。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

【参考】関連記事としては「トヨタ系KINTO、売上3倍で100億円台に!第4期決算」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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