トヨタ系KINTO、売上3倍で100億円台に!第4期決算

営業収益と当期純利益は赤字



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

トヨタ子会社としてクルマのサブスクサービスを展開する株式会社KINTO(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:小寺信也)の第4期決算(2021年4月〜2022年3月)が、このほど官報に掲載された。

売上高は前期の32億9,600万円に対し207%増と大きく伸ばし、101億1,900万円だった。3倍以上の伸びだ。一方で、営業利益は64億円1,200万円の赤字だった。当期純利益も62億1,400万円の赤字で、前期と比べても8.5%損失が増えた。


■決算概要(2022年3月31日現在)
貸借対照表の要旨(単位:百万円)

▼資産の部
流動資産 6,873
固定資産 43,433
資産合計 50,307
▼負債及び純資産の部
流動負債 10,039
賞与引当金 209
ポイント引当金 514
固定負債 38,648
退職給付引当金 16
役員退職慰労引当金7
株主資本 1,619
資本金 9,900
資本剰余金 9,900
資本準備金 9,900
利益剰余金 △18,180
その他利益剰余金 △18,180
負債・純資産合計 50,307

損益計算書の要旨(単位:百万円)

売上高 10,119
売上原価 8,838
売上総利益 1,280
販売費及び一般管理費 7,693
営業損失 6,412
営業外収益 390
営業外費用 187
経常損失 6,208
税引前当期純損失 6,208
法人税、住民税及び事業税 5
当期純損失 6,214

■「KINTO」 以外の新たなサービスが始まる?!

KINTOは、トヨタ自動車のサブスクリプションサービス「KINTO」を手がけている。KINTOの名は、必要なときに瞬時に現れ、思うままに移動できる「筋斗雲」のイメージから命名された。自動車税や保険料、車検代、メンテナンス代、消耗品費などの費用が含まれた月額料金が設定されている。ちなみに頭金は必要ない。

車種はトヨタの人気車種やレクサスブランドなど、コンパクトカーから高級車種まで選択可能だ。契約期間は3年・5年・7年から選べ、ライフスタイルの変化によって車種を変更できるサービス設計だ。


そんなKINTOが2022年5月に新規事業の企画担当者を募集している。募集要項には「MaaSの最先端を創る」というフレーズが載っており、「既存のサブスクサービスやモビリティマーケットに次ぐ新たなサービス」を企画する業務内容のようだ。

新規事業や新規サービスを企画・実行した経験や、モビリティサービスやクルマの技術動向に対する興味・関心があることが必須要件で、ウェブサービス経験者も歓迎しているという。新事業の詳しい内容までは分からないものの、KINTOが新しいサービスを展開しようとしていることは確かと言えそうだ。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

【参考】関連記事としては「トヨタ系KINTO、2021年3月期は売上高が約10倍!サブスクサービスを本格化」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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