空飛ぶクルマを開発する米Joby Aviationの株価が、2022年2月3日に上場来最安値となる3.63ドルをつけた後に反転し、3月24日時点で最安値から46.8%高の5.33ドルととなっている。最近、報道発表を立て続けに行ったことが、株価上昇につながったと考えられる。
かつて中国の空飛ぶクルマの開発企業Ehangの株価は、2020年11月から2021年2月の3カ月間で10倍以上になった。その後、Ehangの株価は急落したものの、Ehang同業であるJoby Aviationの株式も同じような高騰を経験するのでは、と予想する株式投資家は少なくない。
このように予想する株式投資家がいるのは、Ehangの株価が高騰した当時よりも、空飛ぶクルマの普及が現実味を帯び始めているからだ。まずは過去の最高値まで回復し、その水準をさらに上回っていけるか注目が集まる。
■SKテレコムとANAとの協働を発表
冒頭、Joby Aviationが「報道発表を立て続けに行った」と書いたが、その1つ目が韓国最大の通信会社であるSKテレコムとの提携だ。2022年2月6日に発表され、韓国国内でエアタクシーサービスを展開するための提携だという。
韓国政府は2025年までにエアタクシーサービスの実現を目指すロードマップを策定しており、このロードマップを実現する担い手となるため、両社が手を組んだ格好だ。
2つ目の発表が、Joby Aviationと日本のANAホールディングスのパートナーシップの締結。2月14日に発表された。2025年に開催予定の「大阪・関西万博」でエアタクシーを運航させることを視野に入れているようだ。
【参考】関連記事としては「韓国と日本、「空飛ぶタクシー」の運航はどっちが先?」も参照。
■株価100倍ならトヨタも大興奮
Joby Aviationにはトヨタが出資しており、株価が少なくとも現在は回復傾向に入ったことで、とりあえずほっとしているかもしれない。そして今後もしJoby Aviationの株価が100倍になれば、トヨタの社内が大興奮となるのは必至だろう。
これからJoby Aviationの株価がどのように推移していくのか、注目していきたい。
※編注:この記事は特定の株式銘柄への投資を推奨するものではありません。
▼Joby Aviation公式サイト
https://www.jobyaviation.com/
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?実現時期や技術的要件は?(2022年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)