AI(人工知能)の研究開発を進める英ケンブリッジ大学発のスタートアップWayve(ウェイブ)は2022年2月7日までに、同社の自動運転技術「AV2.0」の開発を加速させるため、シリーズBラウンドで2億ドル(約230億円)の資金調達を終えたことを発表した。
今回の資金調達には、米Microsoftやベンチャーキャピタル(VC)、個人のエンジェル投資家などが参加した。Wayveの累計調達額は2億5,800万ドル(約297億円)となった。
Wayveの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のAlex Kendall氏はAV2.0について「機会学習を利用することで、新しい都市やさまざまなユースケースにおいても、安全に運転知能を適応させることができる」と強調している。
さらには「高精度マップなどに運用が制限される従来のアプローチよりも、より迅速に商業展開を拡大できる可能性を持つ」と強調している。要は、高精度マップのデータが用意がされていない初めての道路でも自動運転が可能な技術を、同社は開発しているというわけだ。
■AV2.0の「内蔵AI」が継続的にデータ学習
Wayveは、英国の名門ケンブリッジ大学の研究チームによって2017年に設立されたスタートアップだ。Wayveが開発するAV2.0技術とは、地図データが不要で、なおかつ、エンジニアが運転ルールをコードで記述しなくても、AIによる自動運転が可能になるというものだ。
報道発表によれば、AV2.0には「内蔵AI」が含まれており、この内蔵AIがカメラから得られるデータやWayveのパートナー企業から提供される運転データを使って、継続的に学習を行っていくという仕組みらしい。
Wayveに対しては、オンラインネットスーパー事業で急成長を遂げている英Ocadoも出資をしており、OcadoはすでにWayveの技術を用いた無人配送実験を開始している。すでに同社の技術は実用化の段階にほぼ達していると言えそうだ。今後もWayveに注目だ。
▼Wayve公式サイト
https://wayve.ai/
【参考】関連記事としては「ケンブリッジ大学Wayve、強化学習でAI自動運転車が20分で走行技能習得」も参照。