ソフトバンクグループは2021年11月8日午後、2022年3月期第2四半期の決算発表をおこなった。
2021年4〜9月の上期の連結業績は、売上高が前年同期比13.4%増の2兆9,835億400万円、四半期利益は同80.7%減の3,635億6,900万円と大幅減となった。
■現在は「真冬の嵐の真っ直中」
孫正義会長兼社長は、前期の上期は1兆8,832億円の利益だったが、今期の上期は3,635億円まで利益が落ち込んでしまったことを説明し、現在の状況を「真冬の嵐の真っ直中」と表現した。
そして時価純資産(NAV)が、2021年6月末の27.0兆円から2021年9月末には20.9兆円まで下落し、「実質的な6兆円の赤字だ」と述べた。NAVにおいて大きな割合を占める中国アリババの株価が大きく下落したことなどが影響した。
NAVの国別の割合では、2021年9月末時点で、「中国」が36%、「日本・アジア・欧州など」が44%、「米国」が20%となっており、特に米国が順調に伸びているという。
■「ビジョンファンドは十分成功している」
一方、ビジョンファンドなどの投資利益は第2四半期時点で5兆9,343億円で、孫社長は前四半期よりは1兆円以上利益が減ったものの「ビジョンファンドは十分に成功していると思う」と述べた。
ビジョンファンドにおける投資先の分野は、ECなどの「コンシューマービジネス」が最も大きく26%で、「ロボティクス」と「モビリティ」がそれぞれ17%となっている。ここに自動運転関連の企業も含まれる。
ちなみにビジョンファンド1の1件当たりの投資額は約1,055億円、ビジョンファンド2は約215億円だと説明し、「(ビジョンファンド2では)数を多くヒットを出したい」「大振りせずに、確実に」と語った。
■1兆円規模の自己株式の取得を行う計画も
また孫社長は、ソフトバンクグループの株価が下落している中、1兆円規模の自己株式の取得を行う計画を明らかにした。取得期間は、2021年11月9日から2022年11月8日の予定だという。この日の決算説明会前に決議を行ったと説明した。
【参考】関連記事としては「世界の未上場AI企業による資金調達、ソフトバンクGが10%提供 2017年以降」も参照。