自動運転機能を搭載した自律配送ロボットは、すでに数多く開発されているが、まだ開発段階のロボットもあれば、すでに倉庫で活躍しているロボットもあり、人間社会に対してどれだけ貢献できているかはロボットによって異なる。
この「どれだけ貢献できたか」を比べる指標の1つとなるのが、「ロボットたちがどれだけの距離を移動したか」だ。単純に考えれば、移動距離が長ければ長いほど、配送作業でより多く人間社会に貢献したということになる。
米Locus Roboticsの自律搬送ロボット「LocusBots」は、すでに顧客の倉庫などで累計300万マイル(約480万キロ)を移動したという。地球1周が約2万5,000マイルなので、地球を約120周したことになる。
■ディスプレイ付きの自律配送ロボ「LocusBots」
Locus Roboticsは、米マサチューセッツ州に本社がある物流会社Quiet Logisticsからスピンオフして、2014年に設立された企業だ。「AMR」に分類される自律移動型ロボットを開発するテック系ベンチャーで、同社の製品の1つにLocusBotsがある。
以下の動画で登場するロボットがLocusBotsだ。LocusBotsには荷物を載せる台があり、上部にはディスプレイが設置されている。ディスプレイには載せるべき荷物が表示されるようで、倉庫の作業員が指定の荷物を載せたあと、LocusBotsは自動走行を開始する。
ちなみにLocus Roboticsのロボットは、2021年8月までに5億回ユニットピッキングを達成したという。初の1億回には1,542日かかったが、直近の1億回は94日で達成したという。つまり、最近は1日あたり約106万回も自動ピッキングしている計算だ。同社のロボット製品がいかに人間社会で増えたかがよく分かる。
ちなみに記念すべき5億回目のピッキングは、チェコのプラハにあるVF Corporation配送センターの1つで行われた。ピッキングされたアイテムはVansのスニーカーだったそうだ。
■火星までの距離を移動する日もそう遠くはない?
コロナ禍の影響により、オンラインショッピングを利用する人が増え続けている。それに伴って物流需要は大幅に増え、物流倉庫の事業者は拡大する需要に対応しようと、LocusBotsのような自律走行搬送ロボットが世界中で導入されつつある。
そのため、LocusBotsは今後もっと倉庫で活躍するようになりそうだ。ちなみに地球から火星までは1億5,800万マイルだ。LocusBotsがこれまで移動した距離のさらに50倍移動すれば、次は火星までの距離に相当する。達成にはもうそんなに時間がかからないかもしれない。
▼Locus Robotics公式サイト
https://locusrobotics.com/
【参考】関連記事としては「物流ロボット市場、2026年には230億ドル規模 CAGRは28%超に上方修正」も参照。