「MaaS」(Mobility as a Service)は移動手段を統合するというだけではなく、人々の移動を伴うさまざまなサービスを包括することで、より利便性が増す。こうした視点で注目の報道発表があった。
「空き情報」を配信するスタートアップ企業の株式会社バカン(本社:東京都千代田区/代表取締役:河野剛進)は2021年2月28日までに、トヨタのMaaSアプリ「my route(マイルート)」を通じ、福岡県糸島市で飲食店のリアルタイムな混雑状況を配信すると発表した。
■混雑状況を「空きあり」「やや混雑」「満」で表示
糸島市では、未来へつながる街づくりを目指す「よかまちみらいプロジェクト」が取り組まれており、今回はこのプロジェクトの一環として、バカン社のリアルタイムの空き情報配信プラットフォーム「VACAN」がmy routeと連携するという。
混雑状況は「空きあり」「やや混雑」「満」の3段階で示される。ユーザーがこうした情報を知って来店店舗を決めたあと、その店舗までの移動手段をmy routeの移動手段の検索機能で調べれば、1つのアプリで店舗選びと移動手段選びを完結することができることになる。
また、コロナ禍の中、店舗の混雑情報が分かることで、混んでいる際には来店時間をずらしたり、近隣の別店舗を利用したりすることで、「密」を回避できるといったメリットもある。
■my routeの全国展開、アプリとしての進化に注目
このように、MaaSアプリは移動を伴うさまざまなサービスと相性がいい。my routeの基本機能は、電車やバス、タクシー、カーシェアなどのさまざまな移動手段を組み合わせたルート検索・予約・決済機能だが、VACANとの連携でさらにアプリの利便性が上がった。
ちなみにmy routeでは観光スポットなどに関する情報の配信にも力を入れているほか、アプリと連携するカレンダーの予定に合わせ、最適なルートや移動手段を提案してくれる機能も搭載されている。
ちなみにmy routeは現在、神奈川県横浜市と福岡県北九州市・福岡市・糸島市、熊本県水俣市、宮崎県宮崎市・日南市の各エリアに対応しており、2021年3月には富山県富山市でも利用ができるようになる。
my routeの全国展開、そしてVACANなどとの連携などを通じたMaaSアプリとしてのさらなる進化に注目だ。
【参考】関連記事としては「トヨタのMaaSサービス「my route」を徹底解説」も参照。