帝人株式会社(本社:大阪府大阪市/代表取締役社長:鈴木純)は2021年2月12日までに、低速電気自動車(LSEV)の軽量化に向けた開発パートナーの豪Applied EVと共同で、自動運転への対応が可能な多目的プラットフォーム「BlancRobot(ブランク・ ロボット)」を開発したことを発表した。
「自動運転への対応が可能な多目的プラットフォーム」と言われてもピンと来ないかもしれないが、要は自動運転にも対応可能な「足回り」を開発した形だ。運送や工業、医療、一般交通などの幅広い用途で活用されることを想定しているという。
■足回りに最先端技術&電子制御ユニット
報道発表によれば、センシングや通信などの最先端技術が搭載されているほか、バッテリーやモーター、ブレーキなどを管理する電子制御ユニットが内蔵されており、プラットフォームの上部にさまざまなユニットを載せても、自動運転への対応が可能になるという。
BlancRobotのトップカバーには、帝人グループのコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)社が開発した「GF-SMC」部材が使用されている。GF-SMC部材とは、熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させてシート状にした成形材料のことだ。
コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックスのGF-SMC部材は、軽量・高強度・高剛性であることが特徴であると言える。こうした高強度の成形材料を使うことで、自動運転に必要な機能をしっかりと保護することにもつながる。
■BlancRobotを使用したEVを2022年後半にも実用化
報道発表によれば、両社はBlancRobotを使用したEVを2022年後半にも実用化することを目指しているという。搭載されている先進技術や電子制御ユニットをフル活用し、高度な自動運転機能がそのEVに搭載されるか、関心が集まりそうだ。
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