ITシステム大手の日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:平岡昭良)は、スーパーマーケットなどの小売店向けAI(人工知能)ロボットサービス「RASFOR」の提供を開始したことを、2020年12月28日にまでに発表した。
自律走行や自動撮影、画像解析の機能を搭載し、小売店での業務をロボットが担えるサービスは、国内では初の事例となるようだ。
■売価やPOP期限、品切れのチェックが可能
RASFORは、首都圏にて500店舗以上のスーパーマーケット事業を展開するマルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の共同持株会社であるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスと共同で開発を進めた自律走行型のAIロボットだ。
無人の店内を走行しながら商品棚の画像を撮影し、それをAIで解析することにより、数千の商品に対して売価やPOP期限、品切れのチェックをすることができる。
このような商品棚チェックの作業はルーチンワークとして従業員が行っていたが、閉店後にロボットが行うようになることで、労働力不足を解消でき、従業員の長時間労働を防ぐことができる。コロナ禍においてソーシャルディスタンスを取ることにも貢献する。
今回のサービスは、2018年11月から東京都墨田区のスーパー「フードスクエアカスミオリナス錦糸町店」において業務検証を行い、本格的な展開に至ったものだ。2021年6月までには、陳列状況を把握する棚割実態把握機能も追加する予定だという。
■アメリカの中堅スーパーなどでもすでに導入事例
海外では国によっては、すでに中堅スーパーマーケットおける自律走行ロボットの活躍が目立ち始めている。
たとえば米国の中堅スーパー。ウィスコンシン州などで展開しているWoodman’s Marketではバジャー・テクノロジーズ製の自律走行ロボット「Marty」が導入されており、在庫確認などで活躍している。大手スーパーでも一部店舗ですでに類似のロボットが導入されている。
人手不足の解消だけでなく、小売店での業務のニューマンエラーを解消し、適切な発注にもつながる自律走行ロボット。RASFORの導入をきっかけに、日本でも活用が広がっていくか注目したい。
【参考】海外における導入事例は「米国ではすでに中堅スーパーでも「自律走行ロボ」導入の動き!」も参照。