自動運転関連求人数、コロナ禍による件数減が増加に転じる!2020年5月末調査

前月比3.6%増の18,240件、積極的な採用再開



日本唯一の自動運転専門ニュースメディアである「自動運転ラボ」(運営:株式会社ストロボ)は、主要6転職サイトにおける2020年5月末時点の自動運転関連求人数をまとめた。


新型コロナウイルスの影響によって自動運転業界でも採用案件数は一時的に減速していたが、5月末時点では前月比3.6%増の18,240件と減少から増加に転じ、各社が採用活動に再び力を入れ始めている印象となっている。

以下が主要転職6サイトにおける自動運転関連求人数の推移だ。2020年5月末時点の18,240件という数字は、前年同月比では10.3%となっている。

主要転職6サイトのうち、5サイトで前月比で件数が増加している。最も増加幅が大きかったのが「エン転職」で16.6%増となり、「リクナビNEXT」が同5.2%増、「Indeed」が同4.1%増と続いた。


■車内向けエンタメやコネクテッドアプリ開発の案件も

5〜6月に新たに掲載された求人案件の中には、自動運転車の実現後を見越したシステムやアプリの開発に取り組むエンジニアを募集している案件もあった。具体的には「車内エンターテインメントシステム」などだ。

完全自動運転が実現すると、車内で全く人が運転に関与しなくてよくなる。そのため車内エンタメが巨大市場を形成すると言われている。

また、前職を上回る給与額を約束するといった案件もあり、エンジニア不足が続く中で各社が技術者の確保に力を入れている印象だ。

【参考】関連記事としては「自動運転関連の求人市場、前年同月比9.1%増とプラスを維持 2020年4月末時点、コロナ影響下でも」も参照。


■次回から「MaaS」関連求人数の分析も開始

自動運転ラボは今回の発表から、MaaS関連求人数(「MaaS」という単語を含む求人案件数)についてもデータをまとめている。主要転職6サイトにおける2020年6月末時点のMaaS関連求人数は381件となっている。

「自動運転」の関連求人数に比べるとまだまだ数は少ないが、トヨタなどの大手自動車メーカーや交通事業者、経路検索サービスを開発・提供する企業などが自治体などと組んでMaaSアプリの実証実験などに積極的に取り組むようになっており、今後は案件数が増えていくことが予想される。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事