MONET Technologies株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:宮川潤一)=モネ・テクノロジーズ=は2020年4月27日より、企業や自治体のMaaSを実現するために必要な基盤となる「MONETプラットフォーム」の機能を拡充し、本格的な運用を開始した。また、MaaSシステム構築に必要なデータやAPIを提供する「MONETマーケットプレイス」もプレオープンしている。
MONET Technologies社はソフトバンク株式会社(本社:東京都港区/代表取締役会長兼社長:孫正義)とトヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)の共同出資会社として、2018年に設立された会社だ。
設立以来、オンデマンド配車サービスを中心として全国の自治体と連携協定を結び、地域の社会課題解決に取り組んでいる。また、MONET Technologies社と資本・業務提携する日野自動車やホンダなどの自動車メーカーも増えている。
■MONETプラットフォームとは?
今回の発表で触れられた「MONETプラットフォーム」と「MONETマーケットプレイス」はどのようなものなのだろうか。
「MONETプラットフォーム」はMaaSサービスを行うための基盤といえるもので、下記の3つの要素から成り立っている。
- 車両の移動情報、車両ログなどの情報を集約したデータベース
- 交通事業者などが提供するサービスAPI
- データベースとAPIの連携基盤
このプラットフォームを活用することで、企業や自治体はMaaSサービスに必要なシステム構築にかかる時間・費用を大幅に節約することができるようになり、よりスピーディーに課題解決に取り組むことができるようになる。現在はオンデマンド配車サービスが提供されており、各地の実証実験や実用化に活用されている状況だ。
■MONETマーケットプレイスとは?
「MONETプラットフォーム」のうち、データやAPIの部分を自由に購入し、新しいサービス開発に役立てられるようにしたものが「MONETマーケットプレイス」だ。今回プレオープンにて提供されるのは下記のようなAPIとなる。
- オンデマンドバス(予約・運行管理)
- クレジットカード決済
- チケット(QRコード発行)
- 天気予報(株式会社 ウェザーニューズによる天気予報と過去気象データ)
- るるぶDATA(株式会社JTBパブリッシングによる観光情報・エリア情報)
今後は本人確認機能や地図情報など、提供されるAPIはさらに拡充される予定だ。
プレオープンでは「MONETコンソーシアム」に加盟している企業・団体向けの無料提供となっているが、今夏をめどに一般企業向けにも公開し、複数のAPIなどを組み合わせる形で、複雑なシステム開発をせずにMaaS事業をスタートできるパッケージも提供していく予定である。
■【まとめ】MaaS、プラットフォーマー争いが加速
MaaSに関してはIT、通信、自動車、鉄道など様々な業種の企業によるプラットフォーマー争いが加速している。主要なプラットフォーマーとなれた企業が巨大なMaaS市場をリードできるからだ。
トヨタ×ソフトバンク陣営のMONET Technologies社においては、「MONETプラットフォーム」をいち早く利用してもらい、開発パッケージも公開することで、多くのステークスホルダーにとっての標準プラットフォームとしてもらうことが重要なのだろう。
MONET Technologies社の動きは、MaaSプラットフォーマーを目指す企業の中で先んじたものとなりそうだ。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。