「高速」「大容量」「低遅延」などが特徴の「5G」(第5世代移動通信システム)の登場で注目が集まる「遠隔運転」。人が立ち入ることができない災害現場や、多くの企業がしのぎを削って開発に取り組む自動運転の補完的技術として、様々なシーンでの活用が期待されている。
そんな遠隔運転の実用化に力を入れているのが、通信大手のソフトバンク株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:宮内謙)だ。2020年3月、ソフトバンクグループ傘下の電気通信事業者であるWireless City Planningなどとともに、5Gを活用した遠隔運転の実証実験を行った。
実証実験は北九州市と北九州産業学術推進機構も協力し、災害時に救援や復旧の障害となる放置車両を遠隔運転で撤去することを想定して実施された。
■遠隔運転、自動運転技術の補完的役割も
冒頭でも触れたが、遠隔運転は自動運転技術の補完的役割も果たす。
例えば、ハンドルもペダル類もない自動運転車が故障すると乗っている人はその車両を自力で移動させることはできないが、管制センターに連絡して遠隔運転で車両を操作してもらえば、車両を安全な場所まで移動させることができる。
ソフトバンクは子会社を通じて自動運転実証にも取り組んでおり、今回の遠隔運転の実証実験は「自動運転実用化レース」の中での存在感を高めることにもつながったと言えそうだ。
【参考】関連記事としては「窮地のソフトバンクGを自動運転スタートアップの米Nuroが救う」も参照。