次世代モビリティの「空飛ぶクルマ」の開発を手掛けるスタートアップである株式会社SkyDrive(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:福澤知浩)は2020年4月9日までに、日本初として開発している「空飛ぶクルマ」の有人飛行試験において、技術検証の第1弾が安全に完了したことを発表した。
空飛ぶクルマを開発するSkyDrive社は、「モビリティを通じて次世代に夢を提供する」をミッションに2012年に始動した有志団体「CARTIVATOR(カーティベーター)」から派生する形で、2018年7月に設立された企業だ。
報道発表によれば、SkyDrive社が開発している空飛ぶクルマの開発プロセスは、主に「技術検証フェーズ」と「耐空証明フェーズ」に分けられ、技術検証フェーズとして2018年12月から無人での屋外飛行試験、2019年12月からは有人飛行試験に取り組み、さまざまな技術検証を実施してきた。
そしてこのほど、現時点の試験機での操縦性や飛行安定性を確認し、技術検証の過程が安全に終了したという。今後は洗い出された改善点を設計にフィードバックさせていくようだ。
SkyDrive社は空飛ぶクルマの実用化を2023年に目指しているが、これからの耐空証明フェーズでは航空機レベルの開発管理をしていくことが必要不可欠だという。そして同社はさらなる開発の加速に向けて、航空機開発に精通している岸信夫氏をCTO(最高技術責任者)として迎い入れたことも同時に発表している。
■強い仲間として岸信夫氏が加入
CTOに就任した岸氏は、三菱重工や三菱航空機で旅客機などの開発に37年間従事した経験を持つ。
三菱航空では国内初のジェット旅客機MRJのチーフエンジニア(SpaceJet)、技術担当副社長という要職を歴任しており、航空機の開発プロセスを熟知しているという。同社の開発にこの岸氏が加わることにより、より安全性に考慮した開発プロセスが実施されることが期待されそうだ。
岸氏は「SkyDriveの社業を通じて、航空機の並みの安全性を確保したリーンな開発プロセス、先進的なコンポーネントの採用、革新的な量産プロセスなど多くの産業を巻き込む、まさに空を翔ける産業革命に貢献できればと思います」とコメントを発表している。
政府が発表している「空の移動の実現に向けたロードマップ」では、空飛ぶクルマの事業スタート目標は2023年と定められている。その目標年まであと3年。SkyDriveに強い仲間が加わり、日本を代表する空飛ぶクルマ企業としてのさらなる前進が楽しみだ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは? 仕組みや技術、必要なインフラなど|自動運転ラボ」も参照。