大型路線バスの自動運転、「営業所内」で社会受容性を向上!相鉄バスが発表

群馬大学と取り組み、周回290mコース



出典:相鉄グループ・プレスリリース

相鉄グループの相鉄バス株式会社(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:菅谷雅夫)と国立大学法人群馬大学(本部:群馬県前橋市/学長:平塚浩士)は2020年2月24日までに、相鉄バスの旭営業所内に大型路線バスの自動運転が行える環境を整備したと発表した。

同営業所には全長290メートルの周回コースが設定されており、バス停や障害物を想定した自動運転走行が可能だ。


自動運転環境を整備した目的としては、地域の人に体験乗車の機会を提供することで社会受容性を向上させることや、自動運転レベル4(高度運転自動化)の実用化に向け、技術的検証を行う環境の整備などが挙げられる。

すでに2019年11月と2020年1月に近隣の中学生らを対象に自動運転の体験乗車を実施している。2020年春頃には2回目の実証実験を実施予定。実験の詳細については、決まり次第、改めて案内される。

■相鉄バス×群馬大学、2019年の9〜10月に自動運転実証

相鉄バスと群馬大学は2019年の9月14日から1カ月間、自動運転の実証実験を実施している。具体的には、相鉄バス保有の自動運転レベル2の大型バスを活用した営業運行を、神奈川県横浜市内のよこはま動物園正門から里山ガーデン正面入口間までの約900メートルにおいて行った。

大型バスの営業運行実証で自動運転技術が導入されるのは「日本初」とのことだ。アンケートでは「乗車後に感じたお気持ちに1番近いものはどれですか?」という質問に対し、「不安があった」と回答した人はわずか約8.3%に留まった。


同実証実験を終えて、群馬大学の小木津准教授は「大型路線バスにおける営業運転による自動運転は日本初でしたが、大きな技術的懸念もなく、恒常的な営業運転というゴールに向かって、技術的検討を進めていきます」とコメントしている。

また実証実験に参加した運転士からは「アクセルを踏まなくても自動で走るのを見たときは感動しました。ただ、運転士が通常行うコース取りではなかったり、時速20キロメートル程度だったりとまだまだ課題があります」という声もあったようだ。

自動運転バスは郊外や過疎地など乗客が少ない地域での活用が期待されている。人件費分が軽減されることで路線を継続しやすいからだ。両者の取り組みに引き続き期待していきたい。

【参考】関連記事としては「2020年度の中型自動運転バス実証、事業者5者と各テーマは?」も参照。



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