省庁横断型の科学技術イノベーションを目的とした国家プロジェクトである「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)のイベント「SIP-adus workshop 2022」が、2022年10月11〜13日に京都で開催される。2年ぶりのオフラインイベントだ。
日本及び世界における自動運転技術の発展と普及のための連携をテーマに据えて開催される。主催は、SIP自動運転推進委員会や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、モビリティ・イノベーション・アライアンスなどだ。
■8つのセッションテーマ
「SIP-adus workshop」は今回で9回目の開催となり、今年度はSIP第2期最終年度を迎える。これまでの活動の総括と、成果を次のプロジェクトに生かし、世界へ発信する重要なイベントだという。
会場は京都市の同志社大学寒梅館ハーディーホールと、ANAクラウンプラザホテル京都で、セッションテーマは以下の8つだ。
- Regional Activities:自動運転に関する各国の取り組み紹介
〜自動運転に関する各国の取り組みを紹介する。 - Service and Business Implementation / FOTs:自動運転を活用したサービスの実現に向けて
〜自動運転を活用したサービスモデルや事業モデルに関するアイデアや課題を議論する。 - Dynamic Map:ダイナミックマップによる動的情報連携と標準化
〜ダイナミックマップを活用した動的情報連携や地図更新の現状、課題を共有する。 - Connected Vehicles:協調型自動運転に関する動向
〜世界各地域の協調型自動運転に関する動向を共有し課題を考察する。 - Safety Assurance:安全性評価基盤のハーモナイズ
〜安全性を担保するために不可欠な仮想環境で評価する際の評価シナリオや、各評価シナリオに対する妥当性評価の方法・基準など、国際的な強調に向けて各国のプロジェクトの検討状況を持ち寄り、今後の連携方法などを議論する。 - Cybersecurity:持続的に安全・安心な自動運転の実現に向けた新たな脅威への対応
〜国連法規の施行により、各OEMは持続的にサイバー攻撃から保護できる取り組みが進められ、IDS/IPSの活用が検討されている。IDS/IPSの評価方法や新たに発生する脅威情報の迅速な共有のための技術要件、脅威情報の観測や収集について考察する。 - Human Factors:安全な自動運転のためのヒューマンファクター:過去と今後
〜自動運転車の安全にまつわるヒューマンファクターとしてこれまでに分かったことやクリアできていない課題、新たな課題を共有する。 - Impact Assessment:自動運転技術の社会的インパクト
〜自動運転技術の社会的インパクトに関わる課題やチャレンジ、予測、期待に対する専門家による見解や分析結果を紹介する。
■併設イベントM-BICも開催
「SIP-adus workshop 2022」の併催イベントとして、「モビリティを活用したビジネス・イノベーション・コンテスト(M-BIC)2022」の中間プレゼン会が10月10日に開催される。
学生を対象にしたモビリティ活用のビジネスアイディアのコンテストで、今年度からスタートした。全国10校の大学や大学院、高専の学生たちが集結し、審査員5人の前でプレゼンテーションを行う。
学生たちは全4回にわたって勉強会に参加し、自動運転の最新技術や法制度、民間企業の取り組み状況などを学び、自動運転を活用したビジネスアイディアを創造していく。同年12月10日には東京大学で最終審査会が開催される予定で、最優秀賞や協賛企業の特別賞などの受賞者が決定する。
M-BICの主催は、一般社団法人モビリティ・イノベーション・アライアンスや東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構、同志社大学モビリティ研究センターで、内閣府・デジタル庁が後援し、民間企業・団体13者が協賛している。
▼視聴登録|M-BIC
https://webpark5061.sakura.ne.jp/2022/registration/
■日本の自動運転技術・取り組みを世界に発信
SIP-adus Workshopを通し、日本の自動運転技術や関連する取り組みを世界に発信するSIP-adus Workshop。世界が日本の取り組みを今後どう評価するかにも関わってきそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転の知見の宝庫!SIP-adus Workshop、登壇者資料一挙公開」も参照。