京セラは2022年3月13日までに、複合型商業施設「イオンスタイル幕張ベイパーク」を拠点にした自動運転配送ロボットの実証実験を開始すると発表した。
今回の実証実験は、近隣のマンションに住む住民が店舗に停まっている配送ロボットに買い物した商品を預けると、自宅マンション近くの停止場所で荷物を受け取ることができるというもの。荷物受け取りの際には、配送ロボットに搭載されたタッチパネルを操作する。
■遠隔監視つきで「車道」を自動運転
自動運転配送ロボット1台が平日の午前10時から午後5時にかけて稼働し、イオンスタイル幕張ベイパークと近隣のマンション2棟の間を巡回するという。
配送ロボットは車道を走行する。車道の走行のために、関東運輸局から保安基準緩和認定を、千葉県警察から道路使用許可を取得し、千葉市の協力も得ているという。
自動運転配送ロボットはミニカー(長さ2.5メートル以下×幅1.3メートル以下×高さ2.0メートル以下)に準ずる大きさで、最高時速は15キロだ。配送ロボットは常に遠隔監視され、ルート上の一部区間においては近接操作で走行させる。安全確保のためだという。
■自動配送ロボットに秘める可能性
今回の取り組みは「買い物をしたあと、てぶらで自宅に帰ることができる」という状況をつくりだす実証実験だ。もちろんこの取り組みにも意義があるが、自動配送ロボットの社会実装にはほかにもさまざまな意義があると言われている。
例えば、配送ロボットの導入で配送に人手が不要になれば配送コストが下がるため、ネット経由で注文があった商品を近隣住宅まで配送する場合、極端な話、ネギ1本からも無料配送が可能になるとみられている。
いま現在も「2,000円以上の買い物で近隣への配送無料」といったサービスを展開している店舗はあるが、配送ロボットの導入で配送コストが下がれば、「100円以上の買い物で近隣なら配送無料」ということもあり得てくるわけだ。
■実用化が進むアメリカ、日本でも
今回のイオンスタイルでの取り組みの狙いを含め、自動運転配送ロボットはこのようにさまざまな可能性を秘めていることを是非知っておきたいところだ。
アメリカではすでに大手スーパーマーケットなどが自動配送ロボットを実用化している。日本にその波が来る日も近いはず。
【参考】関連記事としては「知ってる?警察庁が「自動配送ロボット」を7種類に分類」も参照。