デンソー子会社の株式会社エヌエスアイテクス(本社:東京都港区/代表取締役社長:新見幸秀)=NSITEXE=の第4期(2021年3月期)の決算公告が、このほど官報に掲載された。
第4期の当期純損失は第3期の10億3,595万3,000円から縮小し、8億2,370万9,000円だった。利益や損失の累計である利益剰余金はマイナス43億6,986万4,000円だった。
■決算概要
賃借対照表の要旨(2021年3月31日現在)
資産の部
流動資産 909,527
固定資産 4,676,063
資産の部合計 5,585,591
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負債の部
流動負債 557,216
(賞与引当金)(59,904)
固定負債 9,198,239
負債の部合計 9,755,456
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純資産の部
株主資本 △4,169,864
・資本金 100,000
・資本剰余金 100,000
・・資本準備金 100,000
・利益剰余金 △4,369,864
・・その他利益剰余金 △4,369,864
・・(うち当期純損失)(823,709)
純資産の部合計 △4,169,864
負債及び純資産の部合計 5,585,591
(単位:千円)
■自動運転を想定した「半導体IP」を開発
NSITEXEは、デンソーの子会社として2017年9月に設立された。主に自動運転を想定した「半導体IP」の開発などを手掛けている。
2019年1月に東京ビッグサイトで開催されたクルマの先端技術展「第11回オートモーティブワールド」では、開発中の次世代半導体IP「DFP」を搭載したテストチップとテストボードを初めて展示した。
2020年1月には、新型プロセッサ「データ・フロー・プロセッサー(DFP)」の最初の製品である「DR1000C」の発売を開始した。
【参考】関連記事としては「自動運転に役立つ第三のプロセッサ「DFP」、NSITEXEが初製品」も参照。
DFPは、CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理半導体)とも異なる新領域の「第三のプロセッサ」と呼ばれ、効率的な計算による反射的な判断処理が得意だ。消費電力がGPUの10分の1以下で低コスト化も実現する。リアルタイムなデータ解析や判断が求められる自動運転車において、DFPへの注目度は今後一層高まることが予想される。
ちなみにNSITEXEは2020年10月には、自動運転向けエッジAIの半導体を提供する米Blaizeの日本での正規販売代理店となっている。
▼NSITEXE公式サイト
https://www.nsitexe.com/
▼DFP最初の製品「DR1000C」を発売|エヌエスアイテクス
https://www.nsitexe.com/archives/676
▼米国Blaize製品販売を開始〜AIソリューション製品ポートフォリオを拡充〜|エヌエスアイテクス
https://www.nsitexe.com/archives/809
【参考】関連記事としては「半導体IPのNSITEXE、第3期決算では純損失22%縮小 自動運転に役立つプロセッサなど開発」も参照。