自動運転の宅配ロボット(デリバリーロボット)を開発している米シリコンバレーのスタートアップNuro(ニューロ)が、ビジネスを急拡大させているようだ。
海外メディアの報道によれば、同社の自動運転ロボットをウォルマートやドミノピザなどの大手チェーン店が商品配送に一層活用したり、医薬品を配送したりといった試みが盛んに行われるようになったことで、ビジネスが短期間で300%拡大したという。
■Nuroが提供する自動運転ロボット「R2」
Nuro社が提供する最新の自動運転ロボットは「R2」。人間を乗せることは想定しておらず、物品の配送に特化している。乗用車の約半分の大きさで最高時速40キロで走行でき、190キロまでの荷物を搭載できる。
荷物を載せるスペースは温度調節ができるため、生鮮食品や調理済みの食品など、荷物に応じて適切な温度で届けることができるのも特徴だ。
初代車両のR1に続く「R2」は悪天候への対応力を強化したほか、荷物を入れるスペースも大きくなり、バッテリーの稼働時間も長くなった。自動車車体メーカーの米Roush社と協業し、効率的な車体の生産方法も模索している。
■コロナ禍で医薬品の配達でも大活躍
コロナ禍が本格化する前からNuroの自動運転ロボットの実証と実用化は既に行われていたが、新型コロナウイルスの影響でコンタクトレス配送への注目が高まり、Nuroのビジネスの規模は拡大していくことになった。
2020年4月には米カリフォルニア州がR2の公道走行を承認し、Nuro社の本拠地近くの地域を中心に公道でR2の無人運転走行ができるようになった。医療施設への医薬品の無人配送でも活躍している。
テキサス州ヒューストンでは大手ドラッグストアCVSと提携し、処方薬を配達するといったサービスも始めた。
■米中で加速、日本も乗り遅れるわけには
ちなみにNuroだけではなく、米サンフランシスコを拠点とするStarship Technologiesの自動運転ロボットも、コロナ禍で活躍の場を広げているようだ。中国でもこうしたデリバリーロボットの実用化事例は多い。日本でも実験レベルでの事例は増えてきているが、この波に乗り遅れるわけにはいかない。
【参考】関連記事としては「米スターシップの無人配送が既に「普通のサービス」化してる!自動運転技術を活用」も参照。