八重山MaaS事業連携体は、地域観光型MaaSの実現を目指す「八重山諸島における離島船舶、バス、タクシーによる観光型MaaS実証実験」(八重山MaaS)を、2019年11月26日から開始すると発表した。
八重山MaaS事業連携体にはシステム開発大手TIS(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:桑野徹)のほか、沖縄県の石垣市と竹富町、沖縄セルラーアグリ&マルシェ株式会社、株式会社JTB沖縄、株式会社琉球銀行・一般社団法人八重山ビジターズビューローが参画している。
八重山MaaSでは、2019年11月26日から2020年2月29日までの期間中、八重山諸島の離島船舶やバス、タクシーなどの交通手段が一定期間乗り放題になる電子チケットを発行する。観光客はスマートフォンで事前に予約・決済して各交通機関を利用する。対象の交通機関は11の交通事業者によって提供される。
観光客はスマートフォンで表示した電子チケットを現地の各交通事業者から認証を受ける形で利用する。ユーザーにとってはその都度の発券が不要となり、八重山諸島の交通機関が利用しやすくなる。メインターゲットは少人数で旅行する女性に設定し、観光地の写真から目的地を検索できるサービスなども展開する予定だという。
MaaS基盤構築などを手掛ける沖縄セルラーアグリ&マルシェが加盟事業者利用環境整備を、JTB沖縄が交通・商業連携の旅行商品の提供とMaaS加盟事業者開拓を、琉球銀行がキャッシュレス決済の実現とMaaS加盟事業者開拓を、八重山ビジターズビューローが観光施設連携強化を、TISがMaaSプラットフォームの提供と全体の取りまとめをそれぞれ担当する。
■公共交通の利用率が低い八重山諸島、MaaSで課題にアプローチ
八重山諸島では、観光客が2017年以降で130万人を超える中、レンタカー利用率が50%と高く、公共交通機関の利用率の低さが課題となっている。また、チケット購入時のキャッシュレス対応が十分ではないという点も、観光客対応の課題としていた。
そこで、今回の実証実験では「観光型MaaS」としてこれらの課題にアプローチし、来年度以降のサービスの本格展開を目指すという。また、地域住民に向けた交通課題の解決を目的とした「地域型MaaS」の展開も見据えて、他地域への展開も目指すとした。
【参考】関連記事としては「MaaS(マース)の基礎知識と完成像を徹底解説&まとめ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) July 1, 2019