IT関連事業を手掛ける株式会社Will Smart(本社:東京都中央区/代表取締役社長:石井康弘)は2019年10月30日、カーシェア用のオールインワン・プラットフォーム「Will-MoBi」をリリースしたと発表した。
Will Smart社はゼンリンデータコムの社内ベンチャー企業として2012年に創業した企業。同社はモビリティ領域に関する事業に近年力を入れており、Will-MoBiは同領域における自社サービスの第1弾という位置付けだ。
同社はこのWill-MoBiについて「予約から解錠までを含む車両の利用を、ICカード及びスマートフォンで完結するサービスパッケージ」と説明している。
このシステムの提供先事業者としては、レンタカーやリースなどのカービジネスを展開している企業や社用車や営業車を多数利用している企業のほか、土地や空き地などの資産活用を行っている事業者などとしている。
例えば社用車や営業車を多数利用している企業では、Will-MoBiを活用して社用車などをカーシェアとして貸し出すことで、保有している社用車という資産の有効活用が可能となる。
同社はWill-MoBiについて、24時間無人でカーシェアが提供可能になることや、車両1台からカーシェア事業を開始できることも強調している。
■カーシェア市場、年々拡大傾向
カーシェアの市場規模は年々拡大傾向にある。
欧州やアジア、北米を合わせたカーシェアの利用者数は、2015年は1000万人程度だったが、2021年には4000万人近くまで膨れあがるという予測もある。市場規模でみても、2015年は1000億円程度だった市場が2021年には7000億円近くまで増加するとみられている。
大都市圏でカーシェアをユーザーが使う理由としては、公共交通だけでは移動が不便なことや、維持費削減のために自動車を既に手放していることなどが挙げられている。レンタカーよりも手軽で料金が割安なことが利用者増にもつながっており、今後も利用者は増えていく見込みだ。
こうしたことなどを背景に、日本国内ではカーシェア事業を展開するためのプラットフォームやシステムを開発する企業も増えてきている。例えば日本国内ではWill Smart社のほか、アース・カーやユーピーアール、日本電気(NEC)、日本ユニシス、日立製作所なども挙げられる。
カーシェアビジネスは「乗り捨て型」(ワンウェイ方式)が広がれば利便性がいまより高まるため、よりカーシェアの利用者層が拡大することが考えられる。こうした有望性を見越して同領域に参入する企業は今後も増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「【最新版】カーシェアのシステム提供&プラットフォーム開発企業まとめ」も参照。
カーシェア事業の裏方役!システム開発会社など重要7社まとめ 業界のボルテージは上がる一方 https://t.co/rIQegSMOI6 @jidountenlab #カーシェア #プラットフォーム #まとめ
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) August 26, 2019