株式会社ウェザーニュース(本社:千葉県千葉市/代表取締役社長:草開千仁)は2019年2月12日までに、定点カメラの画像から雪が混じった路面状況をリアルタイムに認識できる「AI道路管理支援システム」のプロトタイプを開発したと発表した。
今回発表した新しいAIシステムは自動運転の実現にも寄与するという。路面状況をリアルタイムに把握することは、安全な自動運転には必要不可欠なためだ。実用化されれば、吹雪の夜間走行など目視ですら確認しづらい状況でも路面状況を把握することができるという。
現在開発が進められているAI(人工知能)システムのほとんどは人や車を認識するためのモデルで、路面状況を認識できるタイプはなかった。積雪状況の確認は定点カメラの画像を目視で行っているため、全地域の雪質をリアルタイムにチェックすることはできないのが現状だ。
■積雪、圧雪などの微妙な雪質の違いも
ウェザーニュースは雪質の変化を素早くユーザーに伝えるために、AIによる画像解析の導入が必要だとし、新しいAIモデルの開発を進めてきた。従来の画像処理技術ではカメラの向きや明るさの変化に対応できないため、カメラアングルを頻繁に操作する実務では使用できなかった。
従来のAIモデルを設計から見直し学習させることで、状況の変化に対応できるようになり、リアルタイムに雪の状態を認識できるようになった。積雪、圧雪、シャーベットなどの微妙な雪質の違いも見分けることができるという。
積雪状態の運転では路面状況によって摩擦抵抗が変わるため、急にタイヤがスリップする危険性がある。システムが路面状況の変化をユーザーに通知したり、運転支援を行ったりするなどのアシストがあれば危険を回避しやすくなる。レベル3(条件付き自動運転化)以上の自動運転でも必須の技術となってくるだろう。
現在はプロトタイプが完成した段階だが、ウェザーニュースは来シーズンの道路管理での活用を見据えて2019年夏頃の実用化を目指すという。実用化されて問題点などのフィードバックがされれば性能の向上も期待でき、自動運転システムへの導入も早まるだろう。
【参考】路面状況解析への取り組みは「日本気象協会、路面状況のAI解析技術を開発へ 自動運転車の実用化見据え」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) February 8, 2019