フランス自動車部品メーカーのヴァレオ(本社:パリ/最高経営責任者:ジャック・アシェンブロワ)は2018年10月4日までに、「ハンズオフ・ジャパン・ツアー」のスタートを発表した。ヴァレオの高速道路用自動運転車「Cruise4U」が、距離にして6700キロメートルにも及ぶ日本1周に挑む。
日本1周のルートは、まずヴァレオジャパンの「つくばテクノセンター」(茨城県八千代町)を出発し、北海道まで北上する。次に本州を鹿児島まで南下し、その後、つくばテクノセンターに2018年の10月中旬に戻ってくるルートだ。
この日本1周ツアーは、自動運転車の最新のセッティングを検証し調整することによって、「自動運転を将来的に誰にでも手が届くソリューション」(ヴァレオ)へと昇華することを目的として開催するものだ。
加えてヴァレオは今回の日本1周ツアーにおいて厳しい安全規定を定めているとし、訓練を受けたヴァレオのシステムエキスパートが全行程において乗車するため、必要であればいつでも手動運転で安全を確保できるとしている。
■Cruise4Uに搭載されている最新システムとは?
日本1周に挑むCruise4Uに搭載されているのは、ヴァレオが開発する360度全集検知システムと、高性能ソフトウェアだ。
複数のヴァレオ・レーザースキャナー「SCALA」とフロントカメラ、4台のサラウンドビューイングカメラと4台のレーダーが搭載されている。これによって、車両より10センチメートルから200メートルといった広い範囲内を対象に、障害物を検知することができる。
【参考】Cruise4Uに搭載されたヴァレオのレーザースキャナーについては、「仏部品大手ヴァレオ、自動運転キーデバイス「レーザースキャナー」で表彰|自動運転ラボ」も参照。
「SCALA」は、先行車やバイク、歩行者や駐車している車など、さまざまな障害物を検知することができる。量産車向けの厳格な規格を満たして開発されたレーザースキャナーで、2018年のPACEアワード(自動車業界のイノベーションに貢献した企業に与えられる賞)を受賞している。
また、搭載された高性能ソフトウェアが、これらのセンサーが感知している全ての情報をリアルタイムで処理することによって、外部の情報を運転操作に反映させることができるという。
ヴァレオとCruise4Uはこれまで、フランスと米国、欧州をそれぞれぐるりと1周した実績を持つほか、パリ環状道路の24時間連続運転も成功させている。日本列島縦断に挑戦する今回も、その達成に大きな期待が寄せられている。
■世界展開するヴァレオグループ
ヴァレオは1923年にフランスで創業。1960年代にブレーキシステムや空調システム、電子部品の製造と販売で事業を拡大し、1978年からは電装部品事業にも乗り出している。1980年代に入って国際展開を加速させた。2017年12月時点のデータによれば、ヴァレオは世界33カ国に184カ所の工場を有しており、開発センターも35カ所、物流センターも15カ所展開している。従業員数は日本拠点を合わせると11万1600人に上る。
日本のヴァレオグループは、ヴァレオジャパンとヴァレオカペックジャパン株式会社、市光工業株式会社の3社で構成されている。現在は国内に生産拠点が17カ所、研究開発センターが7カ所あり、総従業員数は6145人に上る。
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