「自動運転化」「電動化」「カーシェア」——。これら新技術・サービスの登場で、自動車業界は100年に1度の大変革時代を迎えている。
特に都市の渋滞、高齢化に伴う交通過疎地の足の確保など、さまざまな交通課題を解決する「自動運転化」は、最も注目を集めている次世代自動車の技術だ。
世界各国の自動車メーカーはもちろん、グーグルやアップルといった米国巨大IT企業の参入、ソフトバンクグループによる世界各国の有望企業への巨額投資のほか、日本で世界初の自動運転タクシーサービスの実証実験が始まるなど、連日注目のニュースが目白押しだ。
そんな中、自動運転関連企業の株価が上昇している。政府も国をあげてその実現を後押しし、2020年を区切りとした自動運転車の普及促進に積極的なことからも、この勢いはますます加速しそうだ。
■2018年8〜9月初旬に話題になった自動運転銘柄の注目株は!?
トヨタ自動車株式会社<7203/東証1部>は自動運転開発はもちろんだが、ライドシェア領域にも力を入れ始めている。2018年8月には米ライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズに5億ドル(約550億円)を出資すると発表。自動運転車を開発した上で2021年にウーバーのライドシェアサービスに導入する予定。
トヨタ系の企業としては、株式会社デンソー<6902/東証1部>とアイシン精機株式会社<7259/東証1部>、株式会社ジェイテクト<6473/東証1部>も注目だ。この3社を含むトヨタ系4社は2018年8月、自動運転・車両運動制御などのための統合ECUソフトウェア開発を推進する合弁会社設立の検討に同意したと発表している。
アイサンテクノロジー株式会社<4667/東証ジャスダック>は、測量・土木事業などを手掛けており、2018年8月にKDDI株式会社<9433/東証1部>と資本・業務提携すると発表している。アイサンテクノロジーの高レベルダイナミックマップと、KDDIの次世代通信ネットワークプラットフォームの融合により自動運転の実用化に貢献したい考えだ。
日本総合研究所による自動運転を活用した「まちなか自動移動サービス」の事業策定に向けたコンソーシアムでは、東証1部上場企業が多数参画している。沖電気工業株式会社<6703/東証1部>や株式会社NTTデータ<9613/東証1部>、関西電力株式会社<9503/東証1部>、株式会社電通<4324/東証1部>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス 株式会社<8725/東証一部>傘下のあいおいニッセイ同和損害保険などが名を連ねている。
ソフトバンクグループ株式会社<9984/東証1部>傘下のSBドライブの動きにも注目。各地で自動運転バスの実証実験を進めている。
■自動運転関連の裾野産業は確実に広がる
自動運転関連株は今後さらに増えていく。国内でも自動運転車を頂点とした裾野産業が広がっていくのは確実で、株式マーケットの注目も高まっている。
【参考】自動運転に関連する銘柄については「株価4倍も… 自動運転・AI業界の「最強株」は? 懸念と期待で乱高下、ランキングで紹介|自動運転ラボ」も参照。