シナジー1兆円へ…ルノー・日産・三菱連合でゴーン氏 自動運転機能を安価に

他企業との提携戦略も加速へ

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カルロス・ゴーン氏=出典:Gobierno Aguascalientes/Flickr

フランス大手自動車メーカーのルノー(本社:パリ/最高経営責任者:カルロス・ゴーン)と日産自動車(本社:神奈川県横浜市/代表取締役社長:西川廣人)、三菱自動車(本社:東京都港区/代表取締役社長:益子修)の3社連合は、2017年度のシナジー効果が前年比14%増の57億ユーロ(約7300億円)に達したと2018年6月27日までに発表した。

3社連合の会長も務めるカルロス・ゴーン氏はさらに、開発競争が激化する自動運転分野を含んだシナジー効果の目標として、会長任期の最終年となる2022年度末までに100億ユーロ(約1兆3000億円)以上に引き上げることを掲げた。

3社連合はドイツのダイムラーや中国の東風汽車といった自動車メーカーと、先進技術の開発を加速させるために戦略的な協力体制を構築している。各社の技術を結集させたその先に見据えているのは、自動運転に関連したシステムなどを幅広い車種に安価に搭載していくという構想だ。

発表によれば、2017年度は3社で進めたコスト削減やコスト回避策が功を奏した。三菱自動車ブランドに対する日産とルノーによる金融サービスの開発・提供や、3社合同で補修部品倉庫を使用したことなどもシナジー効果を押し上げた。

【参考】2017年度のシナジー効果の詳しい内容は「プレスリリース」も参照。
■3社のパワーバランスに崩れの予兆?

1999年に設立された3社連合。日産の経営危機を救う形でルノーが日産に出資したことがきっかけで誕生したアライアンスだが、いま3社間のパワーバランスが大きく崩れかねない可能性が出てきている。それが、ルノーによる日産自動車の子会社化の噂だ。

ルノーの大株主であるフランス政府は自国産業の育成に向けて、日産自動車を傘下に置くことをルノーに求めている。しかし日産自動車の会長も務めるカルロス・ゴーン氏は2018年6月26日に横浜市内で開催された日産自動車の株主総会で、このことをきっぱり否定。日産や三菱自動車を子会社化することについては「可能性はゼロ」と明言した。

とはいえ3社によるスキームは今後変化を見せていく可能性もある。カルロス・ゴーン氏の発言や各社の事業展開に今後も注目が集まる。

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