カナダ西部に位置するアルバータ州の最大都市カルガリー(人口約100万)で、ドライバーを女性に限定したライドシェアサービスが人気を集めている。同国ではライドシェアアプリ市場の多くは男性により担われてきたが、新たなコンセプトでそれに一石を投じ、注目されている。The Star Cargaryが4月11日付で報じた。
■高齢者や子どもをターゲットに
話題を呼んでいるのは、「ピンクカー社」が手掛けるライドシェア・配車サービス。2017年6月にカルガリーでサービスを開始した後、順調に事業を伸ばし、女性のドライバーの数は現在200人を超えている規模という。
カルガリーでは「ドライバーHER社」や「ウーマン・オン・ホイールズ社」などの同業他社も女性客を確保しようとピンク社の背中を追うが、ピンクカー社は高齢者や子ども、障がい者を主要顧客とする独自路線を打ち出している。
ピンクカー社のビジネスパートナーである「4シーズンズ・トランスポーテーション社」は、2002年からカルガリーで特別支援の必要な生徒・児童向けの輸送サービスを行ってきた。このためピンクカー社は高齢者や子ども、障がい者の輸送に関する法規制をクリアすることができているという。
さらにドライバーの確保に当たっては、警察のチェックや子どもや家族の福祉などに関する項目をクリアした者だけを採用する。採用されたドライバーはカルガリーにある本社で研修を受けた後にサービスを提供できることになる。
車両のサイズは小型で、色はピンク。これに白いステッカーが付けられている。口コミのほか、ソーシャル・メディアでのキャンペーンや、トレード・フェアなどに参加することでピンクカーの認知度が上がり、顧客獲得につながっているという。
■LGBTQコミュニティーとも連携
ピンクカー社は、2017年にはLGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)の権利獲得に向けたイベント「カルガリー・プライド」に参加するなど、LGBTQコミュニティーに向けた取り組みも行う。
ガルシア氏は「残念ながら、他の企業はLGBTQの人たちの乗車を拒んだり、よく思っていなかったりする。私たちはもちろんLGBTQコミュニティーに向けた展開を継続する」と語る。