株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長兼CEO:守安功)が提供する個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」が、注目のシェアリングサービスに成長を遂げている。サービス開始から3年で登録会員数17万人、登録車数6000台をそれぞれ突破するなど、新しいカーシェアの形として人気が高まっている。
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記事の目次
■Anycaとは?
Anycaは、所有車をシェアしたい一般のオーナーと借りたい人を結び付けるアプリで、2015年9月にサービスがスタート。利用機会が少ない自家用車の有効活用や、エコカーから高級外車までさまざまなクルマに乗ってみたいというユーザー需要などを背景に利用者数は増加の一途をたどっている。
オーナーは会員登録後、シェアしたいクルマの車種や画像、貸し出し場所、貸し出し可能な日時、装備、料金、仕様、特徴、注意事項などを登録し、あとはリクエストを待つだけ。ユーザーからのリクエストが来た際には、希望条件などをもとに承諾し、アプリ内のチャットでコミュニケーションを図りながら当日受け渡しを行う。返却後は互いにレビューしあうことで、Anycaの安全性や信頼性を高めていく。
カーシェア予約と連動して1日自動車保険にドライバーが自動加入するシステムで、万が一に備え365日無休のメール・電話でのカスタマーサポート体制も用意されている。登録は免許証や車検証といった公的書類をもとに行っており、DeNAがユーザー1人1人の登録情報の確認を行っている。クルマの使用料・保険料・ガソリン代といったカーシェアにまつわる支払いは、Anycaを介したクレジットカード決済で行われる仕組みだ。
オーナーにとっては自家用車を使用しない期間に貸し出すことで維持費を軽減できるほか、同じクルマ好きの人などと交流を持つことができる。また、ドライバー側は乗ってみたいクルマに触れる機会としての活用や、軽自動車など安価で借りられるものも多いため、純粋なカーシェアとしても人気のようだ。
■データで見るAnyca
DeNAは、サービス開始3周年を記念してインフォグラフィック「データで見るAnycaの今」を公開しており、Anycaにまつわるさまざまなデータを発表している。会員登録者数は17万人以上、登録車数は700車種6000台以上、延べ利用数(累積カーシェア日数)は8万日を超えたという。
21都道府県で登録、地方の観光地にも
都道府県別の登録車数では、東京都の2265台を筆頭に21都道府県で登録が行われている。首都圏をはじめとした大都市圏が中心だが、地方の観光地などにも利用が広がっている。
高価な登録車ベスト3は?
高価な登録車ベスト3には、新車価格2029万円の「BMW i8」、同1912万円の「PORSCHE 911」、同1870万円の「NISSAN GT-R」もラインナップされている。また、年式の古い登録車では、1954年製の「JAGUAR XK」、1966年製の「FORD MUSTANG」、1969年製の「MORRIS MINI」もあり、クラッシックカー好きの交流にも役立っているという。
ユーザーは男性が90%、女性も増加傾向
ユーザーは男性90%、女性10%で、女性ユーザーも増加傾向にあるという。年齢層では、オーナー側は30代を中心に全世代が平均的に利用している一方、ドライバー側は20代が38%、30代が33%を占めるなど、若い世代の利用が多い傾向ある。
BMWの3シリーズが人気1位
2017年の個人間カーシェア人気ランキングでは、BMWの3シリーズがシェア回数516回で1位となり、次いでポルシェのカイエン(430回)、BMWのZ4(324回)、トヨタのアルファード(278回)、メルセデス・ベンツのEクラス(226回)の順。高級車が人気を集める一方、便利なミニバンも利用者が多いようだ。
休日24時間の設定金額、5000円以下が37.5%
また、2017年度の休日24時間のカーシェア設定金額では、5000円以下37.5%、5000〜8000円38.2%、8000〜1万2000円16.3%、1万2000〜2万円7.1%、2万円以上1%となっており、シェアの半分以上は5000〜1万2000円の金額設定になっている。
■AnycaだけではないDeNAのオートモーティブ事業
DeNAはAnycaだけではなく、さまざまなオートモーティブ関連の取り組みを積極的に進めている。自動運転車を使った事業やタクシー配車アプリの開発なども手掛け、最近では技術開発を進めるための新組織の発足についても報道発表を行った。DeNAの自動車関連事業から目が離せない状況が続く。
【参考】AnycaをはじめとしたDeNAの取り組みについては「DeNA、MaaS分野での技術開発へ横断組織「モビリティインテリジェンス開発部」発足」も参照。