自動運転技術の開発のため、自動車メーカーや自動車部品メーカーが多額の費用を投じて大規模な実証施設の建設に乗りだしつつある。日本においてはトヨタが2021年2月に着工予定のコネクテッドシティ「Woven City」もその1つだ。
そして新たな大規模施設がイギリスのヌニートンで誕生するようだ。手掛けるのは自動車エンジニアリング大手の英ホリバMIRA社(日本の堀場製作所が2015年に買収)。その施設の名称は「ASSURED CAV」。CAVは「コネクテッド自動運転車」の略語だ。
報道によれば、このASSURED CAVの完成がすでに近づいているという。
■ASSURED CAVに備えられるものは?
このASSURED CAVにはさまざまな施設・設備が備えられるようだ。例えば、直径300メートルの円状の巨大な舗装空間を備えており、さまざまな自動運転技術を広さの制約なく試すことができるようになっている。長い直線道路や曲線道路も当然備えている。
また、自動運転技術を活用した駐車技術を試すための施設も稼働するようだ。公式サイトで公表されている写真を見ると、この駐車場施設は3階建てで、あくまで想像だが上の階と下の階の上り下りの自動運転技術を試すことを想定していると考えられる。
自動運転技術を試すには通信環境も重要で、特に5Gネットワークを使った検証は非常に重要なものとなる。こうした点については、ASSURED CAVでは英ボーダフォン(Vodafone)が「ローカル5G」を配備することが明らかになっている。
■開設は2021年3月を予定
公式サイトによれば、このASSURED CAVの施設の開設は2021年3月を予定しているという。開設後は自動車メーカーやベンチャー企業などさまざまな企業の利用を想定しているようだ。
各国で続々と取り組みが始まっている自動運転向けの大規模施設。いよいよ自動運転レベル3の市場化も始まる中、2021年もさまざまな話題が飛び出してきそうだ。
【参考】関連記事としては「英ジャガー、自動運転を試験する「スマートシティHUB」開設へ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)