2021年10月末までを期間とする自動運転の実証実験が、愛知県でこのほどスタートした。「都心における自動運転を利用した移動」をテーマに、交通事業者が幹線道路を含むルートで自動運転車両を運行するという実証だ。
JR舞鶴駅とイオンタウン千種、名古屋工業大とイオンタウン千種という、いずれも一般車両の多い2つのルートで実施し、将来的に名古屋駅と舞鶴エリアを結ぶ自動運転サービスの導入を目指すという。
■Armaを使用、地域住民が実際に乗車
実証実験は民間企業や大学が連携する形で実施され、高速バス大手のWILLERが幹事会社となり、サービスの企画・開発やシステム・車両提供を担当している。ソフトバンク子会社のBOLDLYは3Dマップの作成や車両の設定を担っている。
実証実験で使用している車両は仏Navya社の「Arma」。ハンドルやアクセル、ブレーキペダルのない小型電気自動バスだ。実証実験中は地域住民に実際に交通手段として活用してもらい、自動運転に対する理解を促す。
運行中は安全管理を担う操作者と補助員も乗り、衛星測位システムで自己位置を把握し、センサーで障害物を検知しながら自動運転で運行している。危険を察知した際は手動運転モードに切り替えて走行を続けることになっている。手動運転時はゲーム機のコントローラーを使う。
【参考】関連記事としては「自動運転バス×データを考える BOLDLYとWestern Digitalが対談」も参照。
自動運転バス×データを考える BOLDLYとWestern Digitalが対談 https://t.co/senh7OfzIi @jidountenlab #自動運転 #バス #BOLDLY #WesternDigital
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 28, 2021
■自動運転実証に積極的な愛知県
愛知県は2016年から自動運転の実証実験を行ってきた。2017年から2018年にかけては、名古屋市内の一般公道でドライバー不在の遠隔型自動運転システムの実証実験が3回実施され、いずれも成功している。
2021年に入ってからの発表では、中部国際空港島内の公道と空港制限エリアで自動運転バス2台を同時運行させる取り組みなどについても触れられ、今回の実証実験を含め、2021年も活発に実証実験にトライしている印象だ。
▼名古屋市鶴舞周辺において、自動運転の社会実装を見据えた実証実験を実施します|愛知県
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jisedai/jidounten-nagoya-2021.html
▼【知事会見】2021年度自動運転実証実験の実施について|愛知県
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/jisedai/jidounten-jisshi-2021.html
【参考】関連記事としては「全国初!愛知県、「都市部×長期」の自動運転実証を実施へ」も参照。