トヨタ自動車やソフトバンクなどが出資するMONET Technologies株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長:宮川潤一)の配車システムを活用したデマンド型の乗合タクシー「愛タク」の運行が、2021年1月4日から群馬県富岡市全域で開始される。
現在富岡市では一部地域を除き、決められた路線を時刻表通りに走る乗合タクシーを運行している。運転免許を自主的に返納した高齢者や移動に困難を抱える市民の足となっている。しかしカバーしきれていない空白地域もあった。
新たな乗合タクシー「愛タク」は、市内の公共交通空白地域を解消し、より利用しやすい効率的な運行を目指して展開される。従来の路線定期運行型ではなく、市内の約300カ所に設置された停留所で、利用したいときに予約すれば乗降可能なデマンド型に移行する。
ICT(情報通信技術)を活用したMONET Technologiesの配車システムにより、予約状況に応じた最も効率的なルートで運行し、利用者は市内全域を自由に移動できるようになる。電話またはMONET Technologiesのスマートフォンアプリで予約し、午前8時〜午後5時まで、市民は1乗者100円で利用できる。
■これまでも実証実験を重ねてきたMONET
MONET Technologiesは、これまで積極的に自社の配車システムを活用したオンデマンドバスの実証実験を行ってきた。
2019年には愛知県豊田市小原地区で「おばら桜バス」の実証実験が始まった。「おばら桜バス」は2009年からすでにオンデマンドバスとして運行していたが、MONETのプラットフォームを導入することで、電話だけでなくスマホアプリから予約できるようになった。バス車内に設置したタブレットで最適な運行ルートをドライバーに提示する。
神奈川県横浜市旭区若葉台エリアでも、エリアを巡回するオンデマンドバスを住民が体験するという実証実験を行った。スマホのアプリから行先や日時を指定して予約すると、利用者が指定した任意の場所にバスが迎えに来るシステムだ。
■いずれは自動運転化していく!?
オンデマンド型の乗合バスは、自分の利用したときに都合のいい場所から乗降できる便利なシステムだ。
将来的なことを考えると、こうしたオンデマンド型の乗合バスはいまは人が運転しているが、いずれは自動運転化されていくことも考えられる。その方が運転手の人的コストが掛からず、地方においては持続可能性が高まるからだ。
MONET Technologiesの配車システム、そして地方で活躍するオンデマンド型の乗合バスの将来像に注目だ。
【参考】関連記事としては「MONETが「医療MaaS」の取り組み強化!オンライン診療の実証実験に新たに参加」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)