交通経路検索大手のジョルダン株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:佐藤俊和)は、2020年から関西地区でMaaSなどを含むビジネスを本格的に展開する。同社は2019年10月、関西支社に新たに関西営業部を設けていた。
ジョルダンは2018年にMaaS市場に既に参入しており、関西地区での需要が大きいことを見込み、積極的な事業展開を進めていく方針のようだ。西日本での人材採用も積極的に行っていくという。
ジョルダンの乗り換え案内事業は、法人部門も売上・顧客数ともに増加し、順調に成長している。2025年に大阪で開催される日本国際博覧会に向けて関西地区の企業とのタイアップも推進し、新たな価値の創造にチャレンジしていくという。
■「ジョルダン×MaaS」のこれまでの取り組みは?
ジョルダンが展開するスマホアプリ「乗換案内」は累計ダウンロード数が3000万回を超え、多くのファンを持つ。移動に関するサービスのワンストップ化を進めており、日本のMaaSにおける本命企業の1社と言ってもいいだろう。
ジョルダンは2018年7月に「J MaaS株式会社」という子会社の設立を発表した。J MaaSでは交通や観光、ICTなどの事業者向けたMaaSインフラの提供を計画し、多くの企業や団体の参画を募っている。2019年8月には野村総合研究所と、同年12月には広告大手の電通と資本業務提携に関する契約を結んでいる。
2019年1月には、公共交通チケットサービス「Justride」を提供している英Masabi(マサビ)社と日本における総代理店契約を締結した。経路検索から購入、乗車をスマートフォンで完結させる「モバイルチケットサービス」を、2020年から複数の交通機関に導入することを目指す。ちなみにJustrideは2019年6月、愛知県豊田市の観光型MaaSの多言語対応モバイルチケット「ENJOYとよたパス」のバスチケットに採用されている。
2019年7月には、北九州市の地域活性化と市民サービスの向上に向けて北九州市交通局と包括連携協定を締結したと発表したほか、同年9月にはLINEアプリ上で経路検索が可能な「ジョルダン乗換案内」というサービスの提供も開始している。2019年10月から2020年3月末まで実施される瀬戸内エリアでの観光型MaaSの実証実験「setowa」にも参加している。
2020年1月には移動手段にドコモ・バイクシェアのシェアサイクルも経路の検索に対応すると発表している。事業への取り組みのスピードが速いジョルダン。関西地区を含め、2020年もこれからどのような取り組みを発表していくのか楽しみだ。
【参考】関連記事としては「いざMaaS最終形へ!ジョルダン乗換案内、ドコモバイクシェアとも連携」も参照。