韓国の自動車メーカー大手・現代自動車(ヒュンダイ)の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は、2021年3月16日に行われたグループ社員とのビデオカンファレンスにおいて、自動運転レベル4(高度運転自動化)の機能を搭載した車両を2023年にも公道デビューさせる構想を明らかにした。
韓国メディアが上記の内容を報じた。現代自動車は2018年、自動運転レベル4の車両を2021年までに製品として投入する目標を掲げていたが、事実上、この計画を後ろ倒しした形とみられる。
一方で鄭会長は「我々は最近、自動運転レベル4の技術について認証を受けた」とし、着実に現代自動車の技術レベルが向上していることに自信を見せた。どの機関から認証を受けたのかについてはまでは、報じられていない。
鄭会長はこのほか、無人航空機を活用した離島向けの無人デリバリーサービスも2026年までに実現させることに意欲を示した。韓国の離島に本土から商品などを届ける構想で、地上用の自動配送ロボットと組み合わせて完全無人の仕組みを構築する考えのようだ。
【参考】関連記事としては「自動運転レベルとは?定義や呼称の違いは?徹底まとめ」も参照。
■Aptivとの合弁会社で自動運転タクシーのローンチ計画も
現代自動車に関しては、米Appleの自動運転EV(電気自動車)の生産に関する協業について最近取り沙汰され、話題になった。現代自動車側は協議について否定したが、自社でも自動運転技術の開発に取り組んでいる。
2019年9月には、米自動車部品大手アプティブ(Aptiv)=旧デルファイ・コーポレーション=と自動運転領域で提携し、ジョイントベンチャー(合弁会社)を設立すると発表した。その合弁会社はモーショナル(Motional)だ。
モーショナルは米ネバタ州で自動運転タクシーの実証実験に取り組み、2020年12月には、米ライドシェア準大手Lyftの配車プラットフォームを活用して自動運転タクシーサービスをアメリカ国内の主要都市で2023年までにローンチする計画も発表している。
現代自動車グループの自動車部品メーカーである現代モービス(ヒュンダイ・モービス)も、自動運転車への搭載を想定した技術を開発していることで知られ、2019年1月の技術見本市「CES」では、車両の窓ガラスがディスプレイとなる車載インフォテインメントシステムを発表した。
【参考】関連記事としては「自動運転車の窓ガラスをディスプレイに ヒュンダイ・モービスが新コンセプト発表へ」も参照。
■お隣の韓国の動向にも注目を
ちなみに現代自動車は自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の車両については、2022年にローンチすることを目標として掲げている。
自動運転技術に関しては、日本のホンダが2021年3月にレベル3搭載車を発売したことで世界的に注目を集めたが、お隣の韓国の動向も注目していきたいところだ。
【参考】関連記事としては「ホンダの自動運転レベル3搭載車「新型LEGEND」を徹底解剖!」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)