ドバイで自動運転デリバリー開始へ 中国ベンチャー「Neolix」の車両採用

近くサービスイン、大手ECサイトとタッグ

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Neolixがドバイで導入するとみられる自動運転配送車=出典:Neolix公式サイト

ドバイ道路交通局の幹部は2021年10月18日、近くドバイ中心部で自動運転車によるデリバリーサービスが開始されることを発表した。自動運転配送車の開発で知られる中国のスタートアップ企業「Neolix(新石器)」の車両が採用されるという。

このことを明かしたのは、ドバイ道路交通局の交通システム担当ディレクターであるカリド・アワディ氏だ。同日ドバイで開催された技術展示会「Gitex」で発表した。

アウディ氏によれば、Neolixの自動運転搬送車は小売店の荷物を指定された場所まで運ぶ。荷物を受け取る人は、QRコードを使って自動運転搬送車から荷物を受け取ることが可能なようだ。運ぶ荷物には食品も含まれるという。

■時速20キロで走行、cmレベルで車両制御

報道によれば、導入されるNeolixの車両は時速20キロで走行し、光技術を使って車両周辺の状況を把握するLiDARや、サラウンドビューカメラなどが車両に搭載されているという。こうしたセンサーを複合的に使うことで、車両をcmレベルで正確に制御できるようだ。

ただし、自動運転と言えども、配送経路は事前に設定されたルートを通るようだ。詳細は不明だが、経路設定は人間が行う仕組みなのかもしれない。一方、走行中は「human intervention」(人間による介入)はしないという。

また報道によれば、Neolixの自動運転配送車がドバイ中心部でデビューするのは、10月中もしくは11月前半とみられているという。中東最大のECプラットフォーマー「Noon」で注文があった商品を、注文した人が指定した場所まで運ぶ。

ちなみにNeolixは2019年にNoonと戦略的パートナーシップを締結し、これまで共同で実証実験を実施して経緯がある。すでにこのパートナーシップにおいて、Noonが自動運転配送車を5,000台注文したことも報じられている。

■ドバイという売り先をがっちりと確保

ドバイ政府は、2030年までに移動手段の25%を自動運転車によるサービスに切り替える方針を掲げており、自動運転技術の社会実装に積極的な姿勢を示し続けてきた。今回の自動運転配送車の社会実装も、こうした流れをくむものだ。

今回、ドバイのプロジェクトで車両が採用されたNeolix。ドバイという売り先をがっちりと確保した上で、今後さらに技術力を高めていくものとみられる。引き続き同社に注目だ。

▼Neolix公式サイト
http://www.neolix.net/productCenter.html

【参考】関連記事としては「自動運転コンビニ、中国Neolixが150台超展開へ!北京が免許交付」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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