株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長兼CEO:守安功)=DeNA=は2020年2月16日までに、携帯電話網を活用して信号情報を送受信する自動運転車の実証実験に参画したことを発表した。
この実証実験は、名古屋大学が主体となって愛知県春日井市の「高蔵寺ニュータウン」の公道で実施されているもの。DeNAは信号機の無線装置から得られる「信号の色」や「残り時間」などの情報を、携帯電話網を使ってクラウドサーバー経由で自動運転車に送る役割を担う。
自動運転車による信号情報の取得は、車載カメラを使っての検知が主な方法として検討されている。ただ、前方車両の存在や逆光によってカメラから信号が見えない場合は、検知ができなかったり難しかったりすることがある。
こうした課題がある中、直接信号の情報を自動運転車に直接送信するという今回のような仕組みとカメラによる検知という方法を併用することで、より確実に信号情報の検出が可能になることが期待できる。
■DeNA、自動運転タクシーやタクシー配車アプリでも積極姿勢
DeNAの自動運転に関する取り組みは、こうしたものだけではない。日産自動車とタッグを組み、「Easy Ride(イージーライド)」という自動運転車のオンデマンド配車サービスの開発にも取り組んでいる。いわば「自動運転タクシー」と呼べるサービスで、2020年代早期にはサービス提供を開始することを目指している。
DeNAの最新決算では主力のゲーム事業が業績を圧迫する形となっている。そんな中で同社は自動運転分野に注力し、新たな事業の柱としているようにも見える。DeNAのモビリティ事業としては、最近JapanTaxiとの事業統合を発表したタクシー配車アプリ「MOV」の取り組みにも注目が集まっていた。
【参考】関連記事としては「JapanTaxiとDeNAの配車アプリ事業、統合へ 自動運転技術の導入も視野」も参照。