中国の自動運転開発スタートアップであるWeRide(文远知行)は2021年4月16日までに、米カリフォルニア州の車両管理局(DMV)から、「セーフティドライバーなし」の自動運転車の公道試験許可を得た。
これまで「セーフティドライバーあり」の公道試験許可は約60社が取得しているが、「セーフティドライバーなし」の許可を取得したのは、WeRideを含めて7社しかない、ほかの6社は、Waymo、Nuro、AutoX、Zoox、Cruise、Baiduだ。
この7社のうち中国企業はBaiduとAutoX、WeRideの3社で、Baiduが中国の大手企業であることを考えると、WeRideは中国の新興企業としてカリフォルニア州で「セーフティドライバーなし」の公道試験許可を得た2社目のケースとなる。
■WeRideとはどんな企業?
WeRideは、Baiduの元エンジニアであるWang Jin氏が2017年に立ち上げた「Jingchi.ai」を前身としている。
自動運転車を使った公道実証は2017年6月に成功させており、2018年11月には広州公共交通グループが運営するBaiyun Taxiと国有自動車メーカーの広州汽車集団と提携し、自動運転タクシーの試運転をセーフティドライバーつきで開始した。
そして2020年7月には、中国で初めてとなる「完全無人」での自動運転の公道実証をスタートさせている。広東省広州市から指定地域で公道実験を実施する許可を得て、取り組みを開始した格好だ。
大型の資金調達も成功させている。2018年10月にルノー・日産・三菱の「アライアンス・ベンチャーズ」から3,000万ドルの資金調達を行い、2020年12月には中国のバスメーカーYutong(宇通客車)から2億ドルを調達している。
■企業価値が13億5,000万ドルの自動運転ユニコーン
ちなみに民間調査会社の米CBインサイツのユニコーン(企業価値が10億ドル以上の非公開企業)リストにはWeRideの名前があり、企業価値は13億5,000万ドルとされている。
▼The Complete List Of Unicorn Companies
https://www.cbinsights.com/research-unicorn-companies
(WeRide以外にもさまざまな自動運転関連のユニコーンがリスト入りしているので、ぜひ参考にしてみてほしい)
WeRideについては現在は上場話などは出ていないが、いずれIPO(新規株式公開)をするとなれば、大いに注目されそうだ。
【参考】関連記事としては「公道では中国初!WeRide、「完全無人」の自動運転実証を開始」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)