助手席の人の「役割」と言えば、ドライバーが居眠り運転をしないよう話しかけたり、ドライバーの「わき見運転」や「ながら運転」を注意したり、「第3の目」となって車外の様子に注意したりと、結構重要だ。こうした助手席の人の「役割」だったことを、AI(人工知能)ドライブレコーダーが代替してくれるようになる——!?
そうした可能性を感じるのがAI搭載の通信型ドライブレコーダーである「ナウト」だ。ナウトはあらゆる自動車に後付け可能なドライブレコーダーで、AIと通信機能を備えた二つの高性能小型カメラが車内外で発生する事象を検出し、AIが危険を察知するとドライバーに警告音などで知らせてくれるというものだ。運転の危険度をリアルタイムに分析できることも可能だという。
このナウトは、最近オリックス自動車のカーシェア車両に導入されることも決定した。車両にナウトを導入することで、ドライバーのわき見運転や居眠り、車間距離不足などを検知し、乗車客の安心安全な運転のサポートに役立てるという。
ドライブレコーダーは近頃、高齢者のドライバーによる危険運転や、あおり運転などの事故の際に走行状況を録画し、後から確認するためのツールとして導入する人も増えている。AIドライブレコーダーはその「次の可能性」であり、人間の運転をサポートしてくれるようだ。
■AIドラレコで自動運転のリスクが回避できる?
また、いよいよ日本で解禁される「自動運転レベル3(条件付き運転自動化)」での走行でも、AIドライブレコーダーは役立ちそうだ。
自動運転レベル3のシステムを稼働中でも運転手は常に運転をシステムと代わる準備をしていなければならず、その特有の危険性はしばしば指摘されている。そのため運転手が運転を代われる状態にあるかモニタリング(監視)するシステムが必要とされ、デンソーや住友理工がこうした仕組みを開発中だ。
ただこうした仕組みはAIドライブレコーダーでも可能かもしれない。ナウトのように何らかの条件に反すればドライバーに注意喚起される仕組みであれば…。こうした意味でも、AIドラレコにはさまざまな可能性を感じずにはいられない。
【参考】関連記事としては「自動運転レベル3の「油断の罠」に挑む技術者たち」も参照。