東京都が使った「空飛ぶクルマ」の呼称がプチ炎上

「クルマじゃないじゃん」多数



東京都の小池百合子知事=出典:東京都公式サイト

空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた取り組みを推進している東京都。2025年10月には、2030年の市街地での展開を目指す「空飛ぶクルマ実装プロジェクト」を立ち上げ、1期のプロジェクトを実施する事業者を発表している。

東京都が用いている「空飛ぶクルマ」というワードだが、この呼び名はおかしいのではないかとプチ炎上。「クルマ」というワードが含まれているものの、実際は自動車のような形状をしているわけではなく、この名前からイメージするものとかけ離れているからだ。


空飛ぶクルマはあくまで通称で、正式名称は「Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft(電動垂直離着陸機)」となる。一般的には「eVTOL(イーブイトール)」と略して呼ばれている。東京都がこのモビリティの実装を進めるにあたり、どんな名称が最適なのか。

編集部おすすめサービス<PR>
車業界への転職はパソナで!(転職エージェント)
転職後の平均年収837〜1,015万円!今すぐ無料登録を
タクシーアプリは「DiDi」(配車アプリ)
クーポン超充実!「無料」のチャンスも!
新車に定額で乗ろう!MOTA(車のカーリース)
お好きな車が月1万円台!頭金・初期費用なし!
自動車保険 スクエアbang!(一括見積もり)
「最も安い」自動車保険を選べる!見直すなら今!
編集部おすすめサービス<PR>
パソナキャリア
転職後の平均年収837〜1,015万円
タクシーアプリDiDi
クーポンが充実!「乗車無料」チャンス
MOTAカーリース
お好きな車が月々1万円台から!
スクエアbang!
「最も安い」自動車保険を提案!

■東京都の「空飛ぶクルマ実装プロジェクト」

東京都が取り組む「空飛ぶクルマ実装プロジェクト」では、2025〜2027年を期間とする1期のプロジェクト事業者に「日本航空株式会社を代表事業者とするコンソーシアム」と「野村不動産株式会社を代表事業者とするコンソーシアム」の2つが採択されている。

日本航空らの使用予定機体は米Archer Aviationの「Midnight」、野村不動産らの使用予定機体は米Joby Aviationの「Joby S4」と日本企業SkyDriveの「SKYDRIVE(SkyDrive式 SD-05型)」だ。この3年で、離着陸場や拠点の確保・整備、管制・通信システムの調整といった運航環境の整備のほか、運航支援、評価・検証を実施し、事業完了後に速やかに事業者による事業展開が可能な状態を構築することを目指している。

Archer Aviationの使用予定機体「Midnight」=出典:東京都

▼東京都の空飛ぶクルマの取組|東京都
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/cross-efforts/sorajissou


ここで炎上しているのが、都がプロジェクト名に入れている「空飛ぶクルマ」という呼び名だ。

■「違和感」「昭和の発想」などの声

例えばNewsPicksでは以下のような指摘があがっている。

  • 「空飛ぶクルマ」の言葉にはどうも違和感があります。道路を走らないのに「クルマ」なのでしょうか。(ニューモデルマガジンX 編集長|神領 貢)
  • 「空飛ぶクルマ」という名称はいずれ変更を迫られると思う。完全に昭和の発想。(ファイナンシャルプランナー|長崎 寛人)
  • 写真を見る限り、大型ドローン。自動車が空を飛ぶイメージはない。(滝田 英一郎)
  • 空飛ぶクルマという言葉に違和感を覚えている方が多いけど、クルマではないことは誰でもわかる。(Atmospheric G2, LLC Senior Decision Support Metrorologist, Japan|西川 貴久)

▼コメント|東京都、5年以内に「空飛ぶクルマ」商用化へ
https://newspicks.com/news/15625372/

このほかXでも疑問の声が多数あがった。


2025年10月に閉幕した大阪・関西万博では空飛ぶクルマのデモフライトが実施されたが、その際もこの呼び名について疑問の声が多く上がっていた。「見た目はヘリコプターのようなのになぜクルマ?」と思う人が多かった。

【参考】関連記事としては「万博の空飛ぶクルマ、「ヘリじゃんww」と炎上」も参照。

■eVTOLという呼称は日本では浸透しない?

空飛ぶクルマの正式名称であるeVTOLは直訳すると電動垂直離着陸機となり、文字通り地面から垂直に離着陸可能な機体のことを指す。そのほか、海外では「UAM(Urban Air Mobility)」、「AAM(Advanced Air Mobility)」などとも呼ばれている。

ただしこういったアルファベットでの呼び方は、それが何を指しているのかすぐにイメージしにくく、日本人にはあまりなじまないかもしれない。経済産業省「次世代空モビリティ政策室」の担当者は、かつて空飛ぶクルマという呼び名になった理由について、「生活に溶け込み、当たり前に使う車と同じく、気軽に使われるようにという思いで名付けた」と話していた。

SNSなどでは空飛ぶクルマに代わる名称として、「有人(無人)ドローン」や「エアライド」、「スカイカー」「エアカー」、あるいは今後行われるであろうサービスを先取りして「空飛ぶタクシー」などと呼んではどうかといった意見も出ている。

■速やかな名称の変更は期待できない?

政府や地方自治体、企業が「空飛ぶクルマ」という呼び名を用いて色々なプロジェクトを現在進行形で進めているため、速やかな名称の変更は期待できないのかもしれない。しかしそれは一般の人に誤解を与える。この呼称問題はまだまだくすぶりそうだ。

【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマは「クルマじゃない」!?万博前に呼称変更か」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事