時速104kmで居眠り?テスラ乗車中の女性が炎上

監視が必要なADASなのに・・・

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出典:reddit投稿動画

米EV(電気自動車)大手テスラ車で走行中、運転席に座ったドライバーが居眠りをしているように見える動画が拡散されている。

テスラのクルマには高度なADAS(先進運転支援システム)が備わっているものの、自動運転機能はまだない。そしてADAS機能も、人間のドライバーが常に注意を払い、介入できる準備が整っていることを前提としているという段階にある。

この動画がもしかするとAIで生成されたものかもしれないし、テスラを批判するために悪意を持って撮影されたものなのかもしれない。しかしいずれにしても、居眠り運転が実際に起こっていた場合、重大な事故を引き起こす危険性がある。

2025年6月から念願の自動運転タクシー(ロボタクシー)サービスを開始し、自動運転開発が勢いづいているように見えるテスラだが、今回のようなドライバーによる機能の理解不足や過信などにより、ある意味風評被害とも言えるような事態になることもある。

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■撮影した動画がバズる

テスラ乗車中にドライバーがうたた寝をしているように見える動画は、米国の掲示板型ソーシャルニュースサイト「reddit」に投稿された。女性がテスラ車の運転席に座り、背もたれに完全に体を預けて眠っているようだ。目の前にあるハンドルに手を添えてもいない。乗車しているのは、その女性1人であった。

▼When you trust Elon with both your life and your REM cycle.|reddit
https://www.reddit.com/r/sanfrancisco/comments/1mxi6ld/when_you_trust_elon_with_both_your_life_and_your/

目撃者によると、この事態は2025年8月22日の午後2時頃、カリフォルニア州オークランドのマッカーサー・メイズと呼ばれる巨大ジャンクションを走行中に起きたという。

眠っているように見える女性のクルマの周囲では、他の運転手や同乗者たちが一斉に写真を撮り始め、その中の1人が動画を投稿した。その後、動画は一気に拡散され大きな反響を呼んだ。皆がテスラの機能が完全自動運転ではないことを理解しており、女性に対し批判的な意見や、「女性は寝ているふりをしていただけでは?」という声もあった。

ちなみにこのテスラ車は時速104.6キロで走っていたと報じられているが、その速度で走行していたときに周りの人が動画をうまく撮影することは簡単ではないので、もっと低速で走行していた可能性も高い。

■FSDという名称が誤認を招いている

現在、テスラの販売済み車両に搭載されているのはADASである「FSD Supervised(監視付き)」だ。FSDは「Full Self-Driving」の略で、高速道路などでの車線維持や車線変更、加減速などをサポートする機能がある。現状の機能はADASにとどまるため、自動運転走行することはできない。もちろん、居眠りは絶対に禁止だ。

なおテスラは「FSD Unsupervised(監視なし)」というシステムも開発済みではあるが、今のところ同社の工場内での移動に使われているにとどまり、販売済みの一般向け車両には搭載されていない。

テスラのシステムを過信または誤認した事故は、過去に起きている。ADASの名称の「Full Self-Driving」や「Autopilot」は、直訳するとそれぞれ「完全自動運転」「自動操縦」となり、自動運転可能かのような誤解を招く恐れがある。実際、システム起動して走行中、居眠りやゲームをしたり運転席を離れたりする人が多からず出始めたのだ。

その結果、名称を変更するよう求める意見も多くなり、テスラはFSDを「Supervised」と「Unsupervised」の2つに名称を分けた。しかし、まだまだユーザーへの理解が浸透していないようだ。

テスラの自動運転(Autopilot, FSD)とロボタクシー計画を徹底解説

■ADAS機能自体は高い評価

まだ完全自動運転を実現していないテスラだが、ADASの機能については高く評価されている。同社の発表によると、2025年第1四半期におけるAutopilot使用時の事故は、走行距離744万マイルごとに1件の割合で発生したという。Autopilotを使用していないテスラドライバーによる事故は、走行距離151万マイルごとに1件発生した。

一方、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)とFHWA (連邦道路交通局)の最新データ(2023年)によると、米国では約70万2,000マイルごとに1件の自動車事故が発生しているという。このデータと比較すると、Autopilotは事故の発生を10分の1以下に抑えていると言える。

また中国メディアが行った各メーカーのADASを対象にした大規模調査では、テスラが最も優秀だという結果も出ている。テスラ車の事故は注目が集まりがちだが、他者に先行し長年高度なADASを展開している同社の技術力は、高く評価されてもいい。

テスラだけでなく、ほかの自動車メーカーでも、「自動運転」というワードの使い方を安易に用いず、ユーザーへの機能の認知にもっと力を入れて取り組む必要がありそうだ。

【参考】関連記事としては「うっかり?中国メディア「テスラが最も優秀」と発表しちゃう」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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