世界で初めて自動運転タクシー(ロボタクシー)を商用化した米Google系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)の車両同士が、衝突事故を起こしていたことが分かった。これまでも事故やトラブルをたびたび起こしているWaymoのロボタクシーであるが、自社の車両同士の事故はおそらく初めてだ。
この事故について、不思議なことにメディアではほぼ報道されていないようだ。しかしSNSでは事故直後の動画が投稿されており、Waymoの車両にもう1台のWaymo車が右から突っ込んで衝突し、停止している様子が分かる。
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■ロボタクシー同士の事故
Waymoのロボタクシー同士の衝突事故は、2025年7月30日にアリゾナ州フェニックスにあるフェニックス・スカイハーバー国際空港で起こった。WaymoはジャガーのEV「I-PACE」に自社開発の自動運転システムを搭載し、ロボタクシーとして使用している。
🚨 Waymo accident in Arizona at Sky Harbor Airport in Phoenix: https://t.co/UjyWvu3ZGF pic.twitter.com/Z5ASKMEuXw
— TESLARATI (@Teslarati) July 30, 2025
投稿された動画を見ると、2台のアリゾナ州のライセンスプレートのWaymo車が、空港の外周道路のような路上で停車している様子が分かる。2台とも同じ方向を向いて停車している様子から、進行方向は一緒だと考えられる。そして先行する1台のWaymo車の左側(助手席側)のドアに、もう1台のWaymo車が右側(運転席側)からぶつかっているように見える。車線変更する際にトラブルが起きたのかもしれない。幸いなことにどちらの車両も事故時に人は乗っていなかった。
左の車両はぶつかった衝撃により少しへこみ傷がついているものの、それほど大きくへこんでいるわけではないため、2台ともそれほどスピードが出ていたわけではないようだ。エアバッグも出ていない。
【参考】関連記事としては「自動運転車の事故一覧 日本・海外の事例一覧・まとめ」も参照。
■自動運転車はトラブル発生時に弱い?
今回の事故で判明したのは、人間が運転する一般的なクルマと違い、自動運転車は事故を起こしたからといってすぐに車両を離すことはできないということだ。Waymo車は2台とも接触したままの状態で動きを止めている。おそらくエンジンも動いたままだ。
そして1台の車内モニターには「Our team is aware of the interruption to your ride(我々のチームは、お客様の乗車が中断されていることを認識しています)」といったメッセージが表示されている。Waymoのロボタクシーはコントロールセンターで遠隔監視されているが、事故が発生したことはすぐに通達されているようだ。
後日Waymo側は米メディアの質問に対し、事故は低速で発生したと回答している。現在、考えられる原因を調査中で、今後数日以内にさらなる情報を明らかにするとしているようだ。
■日本でも実証を開始
2018年に世界初の商用ロボタクシーサービスを開始したWaymoは、現在も世界の自動運転開発を率いる存在だ。2025年春からは日本でのロボタクシー実装を見据え、東京で実証走行をスタートしている。
近い将来、日本でもロボタクシーサービスを展開するのかもしれないが、全てにおいて慎重な国民性ゆえ、軽微な事故でも反対の声が起こりそうだ。国内で自動運転の社会受容性を高めるためには、さまざまなハードルがあると言える。
【参考】関連記事としては「Google、「消火栓」標識を「止まれ」と誤認識」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)