中国の自動運転開発企業WeRide(文遠知行)の株価が急騰している。半導体大手の米NVIDIAが、WeRideの株を大量保有していることが明らかになったためだ。
この発表後、WeRideの株価は80%以上の上昇を見せ、すぐ2倍以上になった。2月19日時点では多少株価は落ち着きをみせ、発表前から約2倍前後の水準となっている。
NVIDIAといえば時価総額が現在世界2位の超有望企業で、自動運転業界にも大きな影響力を持つことで知られている。
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■NVIDIAとWeRideの関係
NVIDIAがWeRideの株式を17万株以上保有していることが、NVIDIAが提出した「フォーム13F」により2025年2月14日に判明した。フォーム13Fとは、米国証券取引委員会(SEC)に提出する株式保有報告書のことを指し、米国で一定規模以上の株式を保有する機関投資家が四半期ごとに提出することが義務づけられている。
▼Form 13F Holdings Report|Feb 14, 2025|NVIDIA
https://d18rn0p25nwr6d.cloudfront.net/CIK-0001045810/6596dc52-7fd9-4774-bf05-1a99a5dd8b6d.pdf
NVIDIAがWeRideに投資を行っていることが判明し、2月13日は17.17ドルであったWeRideの終値が、翌14日には31.5ドルにまで急上昇した。2月18日には40ドルを超え、2月19日は1株34.01ドルで取引を終えた。発表前から株価が約2倍の状況だ。
実は両社は長年にわたるパートナーシップを築いている。WeRideのIPO目論見書には、下記のような記載がある。
「2017年にNVIDIAが当社の初期投資家となって以来、提携を続けている。これまでに、クラウドベースのGPUクラスターやNVIDIA DRIVE Xavier SoCなど、NVIDIAの複数の製品を採用してきた。今後はNVIDIA DRIVE Orin SoCのパワーを活用し、自動運転車両の展開と商業化を加速させる計画だ」
NVIDIAはWeRideの自動運転技術やAI開発に大きな可能性を見出しており、またWeRideはNVIDIAの技術を活用することにより、より高度な自動運転車の開発が実現するであろうことが期待されている。
■ボッシュやUberも注目するWeRide
2017年設立のWeRideは広東省広州市に本社を置き、自動運転レベル4に特化して技術開発を行っている。自動運転タクシーを中心にロボバス、ロボバン、ロボスイーパー、ADAS(先進運転支援システム)など幅広い開発を進めており、現在は中国やUAE、シンガポール、米国の自動運転走行ライセンスを所持しており、7カ国30都市で自動運転の研究開発や実証、運用を行っている。
2018年10月と2021年6月に、ルノー・日産自動車・三菱自動車が設立した戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」から戦略的投資を受けたことを発表している。また2022年3月には、中国の自動車メーカー大手である広州汽車集団(GAC Motor)や独自動車部品大手のボッシュなどから4億ドルの資金調達を行っている。
2024年9月に配車サービス最大手の米Uber Technologiesと提携し、アラブ首長国連邦・アブダビを皮切りにUber プラットフォームにロボタクシーを導入していく計画を発表した。ただし、この提携には米国・中国内での協業は含まれていないとしている。
同年10月には、Geely系ブランド・ファリゾンオートの「Farizon SuperVan」をベースにした最新世代のロボタクシー「GXR」を発表した。運転席はあるが助手席をなくし、快適な乗員スペースを確保したモデルで、世界のロボタクシーの中で最も広い車室空間を誇るという。
株式上場については、2023年9月にIPOの認可を取得、2024年10月に米ナスダック市場へ上場した。上場初日の終値は16.55ドルで、最近までは12〜13ドル前後をうろうろしていた。
■WeRideの株価は今後も安泰なのか?
過去に、NVIDIAが株式を保有していることで株価が急騰した企業が他にもあった。音楽・音声認識技術の開発を手掛ける米SoundHoundだ。SoundHoundの株をNVIDIAが保有していることが判明後、株価は最大で200%上昇した。しかしNVIDIAがSoundHound株を売却後、株価は1日で28%以上急落してしまった。
もし今後NVIDIAがWeRide株を手放すようなことがあれば、WeRideの株価は大きく影響を受けるだろう。両社の今後の関係を注視したい。
またWeRideにとっては、米国の政策が今後の世界進出に大きく関わってくる。米商務省産業安全保障局(BIS)は2025年1月、中国とロシアが関連する特定のハードウェアとソフトウェアを統合したコネクテッドカー、および個別のコンポーネントに関する特定の取引を禁止する最終規則を発表した。
車両が米国内で製造されたものでも、中国などとつながりを持つ製造業者がVCSハードウェア・ソフトウェア、ADSソフトウェアを組み込んだ新しいコネクテッドカーを米国で販売することも禁止するという内容のようだ。
米国での実用化が難しくなりつつあるいま、WeRideは米国以外の国への進出を拡大していくのだろうか。NVIDIAとの関係とともに、WeRideのサービス展開にも注目だ。
【参考】関連記事としては「米政権、中国企業の「自動運転テスト」禁止へ 米中間の摩擦加速」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)