トヨタが静岡県裾野市に建設中の実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」は、この夏に1期エリアの工事が完了し、2025年から実証実験を開始する予定となっている。
Woven Cityの公式Facebookでは2024年7月18日、Woven Cityで走らせたいモビリティのアイデアについて、一般からの投稿が呼びかけられた。一般の声も拾って新たなモビリティの開発や実証を行っていくと考えられる。
■「Woven Cityで走らせたいのは、どんなアイディアですか?」
Woven City公式Facebookに投稿されたのは以下だ。
Woven Cityは「モビリティのためのテストコース」と位置づけられており、エリア内の地上・地下に独自の動線を設ける計画になっている。地上には、自動運転車のための道と歩行者のための道、歩行者と低速移動するパーソナルモビリティのための道の3種類の通路を設ける。地下にはモノを運ぶための道を設け、物流ネットワークを支える設備を設置する予定だ
そのテストコースで、どんなものを走らせてみたいのかについてアイデアを募集しているというわけだ。動くことを想定していない物体や店舗などモビリティの形をしていないものや、形がないようなものでもありかもしれない。
一般から広くアイデアを募ることで、先進モビリティ開発に生かしていく考えのようだ。また、Woven Cityの認知度や話題性を高めるといった狙いもありそうだ。
■2021年に建設を開始した実証都市
Woven Cityは、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地を活用して建設が進められている実証都市だ。豊田章男前社長が、2020年1月にこのプロジェクトを発表し、2021年2月に着工した。
東京ドーム約15個分の広大なエリアに人が住み、モビリティのためのテストコースとして活用する予定で建設が進んでいる。この地で行われるのは、トヨタが掲げる「幸せの量産」を目指したさまざまな実証実験だ。自動運転に関しては、「自動運転技術を鍛える」「自動運転を使ったサービスの価値検証」を目的に、自動運転機能をさまざまな発明者が使い、試すことでユースケース拡大していくという。
Woven Cityに集うのは、未来の当たり前となるような技術やサービスを生み出すために、自ら考えたテーマの実証を行う発明家(インベンター)や居住者、訪問者などだ。住人についてはトヨタやトヨタ関係者から段階的に入居し、最終的には約360人が住む計画となっている。
■どんなアイデアが集まるかに注目
Woven Cityの公式Facebookや公式YouTubeで特徴的なのは、建設現場で働く人の様子や声を頻繁にアップしている点だ。工場を閉鎖し、新しい施設を建てるということに関しての周辺住民の声に配慮しているほか、Woven Cityでの取り組みを推進してくために注目を集め、周囲を巻き込んでいこうといった思惑もあるのかもしれない。
今回のアイデア募集ではどんなコメントが投稿されるのか、コメント数で注目度が推察できるかもしれない。
【参考】関連記事としては「トヨタWoven City、「発明家」を募集!自ら考えたテーマを実証可能」も参照。