トヨタとも提携している自動運転開発企業の米Aurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は2023年11月8日までに、自動運転トラックの商用ルートを開設したことを発表した。こうした商用ルートの開設は「米国初」だとしている。
商用ルートは、米テキサス州のダラス〜ヒューストン間。ヒューストンとダラスに商業用ターミナルを設置し、自動運転トラックの運行に備えるという。
ただし、同社は2024年後半にドライバーレスの自動運転トラックの実用化を予定していることから、実際にこのルートを無人トラックが走行し始めるのはもう少し先のことになりそうだ。
■商業用ターミナルが担う役割は?
Auroraは、自動運転トラックの商用運行のためには、24時間365日稼働しサービス提供とサポートを行う施設が不可欠だと考え、この商業用ターミナルを開発したという。自動運転トラックを収容したり、保守や準備、検査、配備したりするために稼働する。
たとえばターミナル内の秤量所(車両重量を計測するための施設)では、走行前の検査をサポートし、Auroraの自動運転トラックが規制基準に適合していることを確認する。
Auroraは「顧客優先」でターミナルの設置場所を決定したという。ヒューストンのターミナルは、フェデックスをはじめとする大手物流会社の物流ハブの近くに位置している。
■トヨタとも提携する実力派
Auroraは、Googleやテスラ、Uberで自動運転開発に携わっていた3人の技術者により、2016年に設立された。
2021年2月に、トヨタとデンソーと戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。2022年3月には、トヨタの自動運転MaaS専用車両「Sienna-AutonoMaaS」にAurora Driverを統合した試験車両を公開した。
フェデックスとも提携しており、2021年9月からダラス〜ヒューストン間で配送を行っている。2022年6月にはパートナーシップの拡大を発表し、フォートワース〜エルパソ間でも自動運転配送を行うとしている。
■「コマンドセンター」の開設も
Auroraは今回の自動運転トラック用ルートの始動にあたり、自動運転トラックの監視やサポートを行う「コマンドセンター」の開設の準備も進めているという。同社が米国の物流システムを根幹から変えていく台風の目になるのか、注目だ。
▼Aurora Innovation公式サイト
https://aurora.tech/
【参考】関連記事としては「Aurora Innovationの自動運転戦略(2023年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)