上場した落合陽一氏のピクシーダスト、車イス自動運転化でも注目!

後付け可能な自動運転化ユニット「xMove」



出典:ピクシーダストテクノロジーズ・プレスリリース

筑波大学准教授でメディアアーティストの落合陽一氏が代表取締役を務めるピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:東京都千代田区)が、2023年8月1日に米ナスダック市場に上場した。

同社は音や光を活用したインタフェース技術を用いることで世界中に溶け込むコンピュータ技術を開発しているスタートアップだ。パーソナルケア&ダイバーシティ領域と、ワークスペース&デジタルトランスフォーメーション領域という2つの領域で製品を展開している。


そのピクシーダストテクノロジーズが開発する製品の1つに、車いすの自動運転を実現するソリューション「xMove(クロスムーブ)」があることをご存じだろうか。

■市販の電動車いすを自動運転化

xMoveは、車いすの利用者の利便性向上と介護士の移動介助に関わる負担軽減を目指し開発されたソリューションだ。市販の電動車いすに自動運転化ユニットを後から搭載することで、電動車いすを自動運転車いすに高度化することができる仕組みになっている。

介護施設での実装を目指し、サービス付き高齢者向け住宅を運営する企業の協力により、実証実験を行っている。

xMoveは自動運転化ユニットに搭載したセンサーと、施設に設置されたセンサーを利用して自動運転走行をする。特性の異なる複数のセンサーを組み合わせることで、車いすの周囲の環境を二重三重に確認し、安全な自動運転を実現しているという。


操作はボタンやスマートフォンで行い、好きなときに好きな場所に行くことができる。これにより、車いすの利用者の利便性向上と介護士の移動介助に関わる負担軽減を目指している。

協力している介護施設が公開した動画を見ると、xMoveを搭載した車いすが、利用者をゆっくり安全に運んでいる様子が見て取れる。

■将来性が見込まれる自動運転パーソナルモビリティ

自動運転車いす関連では、日本企業WHILLも自動運転パーソナルモビリティを手掛けている。同社が手掛ける「WHILL自動運転サービス」は、パーソナルモビリティに自動運転機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」を使った移動サービスのことを指しており、空港や病院などでの実証実験を積極的に行っている。


病院や介護施設などでの人材不足解決のため、今後こういった自動運転パーソナルモビリティの需要はますます高まっていきそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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