デンソー子会社のNSITEXE、赤字解消ならず 自動運転車向けプロセッサーなど展開

第6期決算、半導体IP開発手掛ける



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

デンソー子会社の株式会社エヌエスアイテクス(本社:東京都港区/代表取締役社長:新見幸秀)=NSITEXE=の第6期(2023年3月31日現在)の決算公告が、このほど官報に掲載された。

第6期の当期純損失は第5期の10億7,780万円から微増し、10億8,128万円だった。利益や損失の累計である利益剰余金は、マイナス65億2,895万円。過去3期の当期純損失の推移は、以下の通りとなっている。


<純損益の推移>
・第4期:▲8億2,370万9,000円
・第5期:▲10億7,780万7,000円
・第6期:▲10億8,128万8,000円
※▲はマイナス

■決算概要(2023年3月31日現在)
賃借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 601,311
固定資産 5,520,169
資産の部合計 6,121,480
▼負債及び純資産の部
流動負債 8,139,595
(賞与引当金 70,918)
固定負債 4,310,845
負債の部合計 12,450,440
株主資本 △6,328,959
資本金 100,000
資本剰余金 100,000
資本準備金 100,000
利益剰余金 △6,528,959
その他利益剰余金 △6,528,959
(うち当期純損失 1,081,288)
純資産の部合計 △6,328,959
負債及び純資産の部合計 6,121,480

■デンソーが100%出資するNSITEXE
出典:NSITEXE公式サイト

NSITEXEは、デンソーからスピンオフして2017年に設立された。「解き放つ、次代をつくる組込みソリューションの可能性。」をテーマに、自動運転用半導体のカギとなる技術である半導体IPの開発・設計を手掛けている。半導体IPとは、半導体を構成する部分的な集積回路資産(Intellectual Property)のことだ。

自動運転技術の実現に向け、2018年9月に次世代の高性能半導体のキー技術を保有する北米のスタートアップ企業ThinCIへの出資を行った。デンソーは2016年にThinCIへの出資を行っており、追加での出資となった。


2019年2月には、同社が自動運転車向けの新型プロセッサー「データ・フロー・プロセッサー(DFP)」の用途を広げることが「日経xTECH」により報じられた。

DFPはこれまで、自動運転車に必要とされる「知覚」「認知」「判断」「操作」のうち、「判断」に向いているとされてきたが、「知覚」に相当するセンサーフュージョンや、「認知」に当たるニューラルネットワーク処理にも使いたいといったユーザーの要望にも応じていくという。

2022年7月には、次世代の組込みシステムに幅広く展開するプロセッサーIPを中心とした商品ブランド「Akaria(アカリア)」を発表した。自動運転やエッジAI(人工知能)活用アプリケーションに向けフルラインアップされたプロセッサー群で、RISC-Vベースの標準プロセッサーと拡張ユニット部品を組み合わせ、顧客のアプリケーションごとに最適な領域特化型アクセラレータを提供するというものだ。

またNSITEXEは、サイバーセキュリティソリューションを手掛けるSecure-ICとの戦略的パートナーシップを拡大することを2023年6月に発表した。これにより、サイバーフィジカルシステム(CPS)のセキュリティソリューションを提供していくという。


■成長分野の半導体IP市場

市場調査会社のResearch Nesterによると、半導体IPの市場規模は2023〜2035年の期間、CAGR(年平均成長率)約6%で推移し、2035年末までに120億ドルの収益を達成すると推定されている。

成長分野の半導体IPを手掛けるNSITEXEの技術は、自動運転の発展にも貢献する。引き続き注目の企業だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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