フィリピンでMaaS!?大日本印刷の気になる海外事業

配送管理システムや多機能ボックスを活用

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大日本印刷株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:北島義斉)=DNP=は2023年2月、MaaSを活用したラストワンマイル物流の実証事業をフィリピンで実施した。

これは、国土交通省の「デジタル技術を活用した物流最適化に資するソリューションの海外展開支援に係る調査検討業務」として実施されたものだ。

日本企業が海外でMaaSを展開──。内容が気になる。

■3つの課題克服を実証

フィリピンでは近年オンラインショッピングの利用が増加し、宅配の需要が高まっている。それに伴い、物流における課題が出てきている。今回の実証はマニラ首都圏と近郊で実施され、以下の3つの課題を設定し解決を目指したという。

■DNPのソリューションを活用!

1については、DNPが開発した「デジタル配送管理システム」を活用することで、アナログ管理されていた配送指示をウェブ上で管理し、リアルタイムに配送状況を可視化した。配送ミスが削減や配送時間の短縮が図れるという。

出典:大日本印刷プレスリリース

2では、輸送用の箱である「DNP多機能断熱ボックス」を活用した。電源を使わずに内部温度を長時間一定の範囲で保てる機能があり、今回の実証では冷凍食品を配送したようだ。冷蔵・冷凍車に比べ低コストで導入できるため、費用面で常温商品しか扱えない小規模小売店へ、冷蔵や冷凍食品を配送できるようになるという。

出典:大日本印刷プレスリリース

3については、フィリピンの三輪タクシー「トライシクル」のドライバーに対し効果的な学び直しを実施し、人だけではなくモノを配送する業務も可能にすることで、雇用や労働機会の創出を目指していくというものだ。

今回の実証では1〜3の課題に対し、一定の成果が得られたようだ。将来的には、生鮮食品や医療品などを安全に目的地まで届けられる安心かつ高品質なコールドチェーンの普及・浸透や、新たな雇用創出につなげていきたい考えだ。

■東南アジア地域でも横展開も

DNPはフィリピンだけでなく、ベトナムやインドネシアなど東南アジアでの水平展開を目指していくという。日本国内では移動最適化サービス「DNPモビリティポート」の開発でも注目を集める同社。引き続き同社の動向に注目していきたい。

【参考】関連記事としては「「大日本印刷」と「モビリティ」の意外な関係」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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