ゴルフカートが自動運転車に!?三重県桑名市で実証

交通事故の削減や渋滞緩和への打ち手

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出典:桑名市資料

三重県桑名市内で、今年も自動運転の実証実験が行われる。今回の実証内容は「運行管理システム」だ。同市は将来的に「自動車による交通事故の削減」「渋滞の緩和」「バスの運転手不足解消」の実現を目指している。

■ティアフォーの自動運転OSを採用

桑名市は将来的に自動運転サービスを実現させるべく、2019年度からこれまでさまざまな実証実験を行ってきた。「運行管理システム」を検証する今回の実証は、2023年3月14日〜15日に1日2回、ナガシマスパーランド駐車場内で実施される。1周約600メートルで、所要時間は約8分となっている。予約するための固定型配車端末は2台設置されるという。

運行管理システムは、システムを介した車両の利用申し込みと、他の予約や配車状況により自動運転車の目的地を設定して配車を行うものだ。車両の位置や配車状況など、設備稼働状況を監視していくという。乗務員向けの情報提供端末と利用者が乗車車両を判別できる端末も設置される。

出典:桑名市資料

実証には、「自動運転レベル2」相当の電動ゴルフカートタイプの車両「Millee(マイリー)」とナンバー取得済みのゴルフカートの2種類が使用される。高精度3次元地図やLiDARが搭載され、自動運転OSには日本の自動運転開発スタートアップであるティアフォーのAutowareが採用されている。

実証には、実証フィールドを提供する長島観光開発、事業統括や自動運転車両調達、3Dマップ作成を担うアイサンテクノロジー、オンデマンド運行管制システムを提供する三菱電機、オンデマンド運行管制システムによる運行管理を担う三重交通、保険・安全管理・リスクアセスメントを担う損保ジャパンが参加している。

■視野に入ってくる自動運転レベル4

2023年4月に自動運転レベル4(高度運転自動化)の運行許可制度が盛り込まれた改正道路交通法が施行されることから、全国で自動運転の実証実験が加速することが予測される。

桑名市はドライバーレスが可能なレベル4に向けた検討や、地域の関係者・関係機構と連携した持続可能な事業モデルを構築すべく、今後も取り組みを続けていくと思われる。

▼令和4年度自動運転実証実験|桑名市
https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/9903/kisyakaikensiryo.pdf

【参考】関連記事としては「自動運転、レベル4とレベル5の違いは?(2023年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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