LiDAR開発企業の米Ouster(オースター)と米Velodyne Lidar(ベロダイン・ライダー)が対等合併した。2023年2月10日付。合併後はOusterの社名が残る形だ。
両社は2022年11月に、LiDAR事業における財務基盤の強化などを目的に合併契約を締結したことを発表していた。なお株式取引においては、Velodyne 1株をOusterの0.8204株と交換する形となる。
■合併により財務基盤強化へ
Ousterは2015年設立のLiDAR開発企業で、米国のほかEUやアジア太平洋地域、中東などにも拠点を構えている。2021年3月に米ニューヨーク証券取引所にSPAC上場した。
またVelodyne Lidarは、1983年に創業したオーディオ開発・製造の「Velodyne Acoustics」に起源を持つ。2007年に最初の量販モデルとなる3D-LiDARを製品化した、LiDAR開発のパイオニアである。Velodyne AcousticsのLiDAR部門が2016年にスピンオフし、Velodyne Lidarとなった。2020年7月に米ナスダック市場にSPAC上場したが、同市場へのLiDAR開発専門企業の上場は初めてのことであった。
今回の合併によるメリットは主に4つあるようだ。2社のセンサーやソフトウェアによるロバスト性(堅牢性)の確保、販売チャネルの拡大による市場浸透の加速、特許など知的財産権の集中、営業コストの削減だ。特にコスト削減については、年間7,500万ドル以上の削減が見込まれ、財務基盤が強化されるという。
また、合併により、自動車やロボットのほか、スマートインフラ産業などに向けて850社以上の顧客をまとめることができるとしている。
OusterのCEO(最高経営責任者)Angus Pacala氏は「Velodyneとの合併が早く完結し、当社の財務状況とLiDAR普及を加速させる能力が高まった」とし、「今まで以上に多くの案件を獲得できるようになる」と自信を見せた。
■両社にとって吉と出るか凶と出るか
今回の合併については、2023年3月23日に開催される2022年第4四半期決算発表時に詳細が発表されるようだ。LiDAR有力企業2社の合併は、両社にとって吉と出るか凶と出るか。
▼Ouster公式サイト
https://ouster.com/jp/
▼Velodyne Lidar公式サイト
https://velodynelidar.com/
【参考】関連記事としては「狙いは?LiDAR企業の米Ouster、人員を10%レイオフ」も参照。