画像認識AI・自動化のARAYA、純損失1.1億円 第9期決算

建機やドローン分野の自律AIに注目



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

AI(人工知能)の技術開発・ソリューション提供を手掛ける株式会社アラヤ(本社:東京都港区/代表取締役:金井良太)の第9期(2021年10月〜2022年9月)決算が、このほど官報に掲載された。

当期純損失は1億1,269万円を計上した。なお、前期の第8期の当期純損失は2億5,442万円、第7期の当期純損失は3億1,297万円であり、純損失額は圧縮傾向にある。


■決算概要
貸借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 660,936
固定資産 123,797
資産合計 784,734
▼負債及び純資産の部
流動負債 122,408
固定負債 250,000
株主資本 412,325
資本金 100,000
資本剰余金 699,097
資本準備金 699,097
利益剰余金 △386,771
その他利益剰余金 △386,771
(うち当期純損失 112,693)
負債・純資産合計 784,734

■建機自動化や自律飛行ドローンに挑む

2013年設立のアラヤは、ディープラーニングやエッジAI(人工知能)技術を開発するスタートアップだ。ディープラーニングを用いた「画像認識AI」や、モデル軽量化技術を活用した「エッジAI」、ドローンや建設機械の自律制御を実現する「自律AI」などの開発実績がある。 2019年10月に未来創生2号ファンドなどから、総額10億円以上の資金調達を実施している。

2020年3月から、AIの圧縮を自動化する「Pressai(プレッサイ)」というアプリケーションの提供を開始している。現在は最先端AI技術を用い、建設機械・産業機械自動化や自律飛行ドローンなどの事業にも取り組んでいる。

建設機械や産業機械の自動化に関しては、クレーンや油圧ショベルなどの建機や産業用クレーン、フォークリフトなどの操縦を自動化するAIの開発を、建設会社や建機メーカーに向けて事業化している。


建設機械の自動化に対するアラヤのアプローチの1つが、レバーを操作するためのモジュールと周辺状況を把握するカメラやセンサーを建機実機に取り付け、AIに自動操縦させる仕組みだ。AI学習には、強化学習と模倣学習の2通りのアプローチを用意しているという。

自律飛行ドローンに関しては、ドローンに搭載されているカメラから取得する画像情報を用い、ドローンが自律飛行できる技術を開発している。具体的な活用例には、工場やプラント内の自動巡回や送電線の点検などがある。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

【参考】関連記事としては「建機の自動化に取り組むAI企業アラヤ、第8期決算は純損失2.5億円」も参照。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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