スペイン国家警察は2022年10月4日までに、中国の空飛ぶクルマメーカー「EHang」(イーハン)の機体「EH216」を導入することを発表した。公的な警備任務や緊急事態への対応で同社の機体を使用するとみられる。
スペイン国家警察とEhangは、今から1年前の2021年10月にパートナーシップを結んでいる。その後、EH216の飛行実験を実施し、活用に関する実証実験も行い、このほど導入することを決めたという。
■「全てのテストフライトに合格」
EH216は「eVTOL」(電動垂直離着陸機)に分類され、ヘリコプターよりも小型であり、ヘリコプターが着陸できない場所にも着陸できることが一つの特徴だ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマ、ヘリコプターとの違いは?」も参照。
スペイン国家警察は公式Twitterアカウントで以下のツイートをしており、「全てのテストフライトに合格した」と説明している。
上記のツイートで紹介されている動画を観ると、人が乗らずに飛行している様子が分かる。EH216には運転席が用意されているが、無人で自動飛行することも可能なようだ。
ただし、スペイン警察がこの空飛ぶクルマを日常的に頻繁に市街地などで利用できるかは、まだ不透明なようだ。なぜなら、空飛ぶクルマに関する法律や条例の整備などが追いついていないからだ。
■最新鋭のモビリティ、各国の警察が注目
自動運転車やエアモビリティを警察が導入するという動きが世界で目立ちつつある。
これまで注目されてきたのは、ドバイ警察の取り組みだ。自動運転が可能な「移動交番」を導入しようと取り組みを進めてきた。中国では自動運転のパトロールカーを導入しようという動きもある。
【参考】関連記事としては「自動運転の無人交番、日本の三笠製作所が開発!ドバイ万博に納車」「中国、ウイグル族監視に自動運転パトカー導入か」も参照。
自動運転車や空飛ぶクルマの開発メーカーにとっては、警察や公安当局などは有望な顧客になり得る存在だ。組織全体で活用を進める場合、購入する機体数がかなりの規模になる可能性があるからだ。
そういう視点でみると、EHangはスペインで警察への「営業活動」を成功させたと言えそうだ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは?(2022年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)