テスラのFSD β版、累計走行距離が3,500万マイルに

使用オーナーは10万人以上



テスラのイーロン・マスクCEO=出典:Flickr / Ennoti (Public Domain Mark 1.0)

米EV(電気自動車)メーカーのテスラが2020年に提供を開始した高度運転支援システム「FSD」のβ版。このFSDのβ版による「自動運転」の累計走行距離が3,500万マイル(約5,600万キロ)に到達したことが明らかになった。

■FSDのβ版の使用オーナーは10万人以上

テスラによれば、FSDのβ版を自身が所有するテスラ車に搭載しているオーナーは10万人以上に上る。


テスラはFSDのβ版による走行データをFSDの技術の進化に活用しており、現在はFSDでは完全自動運転はできないものの、将来は必ず実現すると、同社を率いるイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は公言している。

ちなみにマスクCEOは先日開催された決算説明会で「They’re very happy with the capability of the system」(オーナーたちはシステムの能力に非常に満足している)と述べている。

さらにはこの累計走行距離に関して、「ほかのどの企業よりも自動運転距離が長く、ほかの全ての企業を合わせた距離よりも多い可能性がある」と自信を見せている。テスラが2022年末までに「累計1億マイル」を目指しているという報道もある。

■マスク氏「物事が止まってしまっている」

ただしテスラに関しては、最近、同社の先進運転支援システムである「オートパイロット」を設計したアンドレイ・カーパシー氏が退社することが明らかになっており、同氏はFSDの技術開発にも深く関わっていたことから、FSDの開発の遅れを懸念する声が上がっている。


マスク氏は決算説明会で「アンドレイが1人で全てのコードを書いていたから、物事が止まってしまっている」とジョーク混じりに語っているが、内心はかなり焦っているのだろうか。

【参考】関連記事としては「テスラの自動運転技術」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




関連記事